ジャルパック、09年度上期商品で7%増めざす−総額表示、クルーズなど強化

高橋氏は、昨年6月の就任からの期間を振り返り、「燃油サーチャージの高騰や景気後退により旅行市場が悪化し、販売人数の減少に歯止めをかけられなかった」と説明。一方で、国内外の支店を視察し、例えば海外支店では「社員やオペレーターのオペレーションの品質の水準は高いと実感した」という。その上で、着任以来掲げてきた「品質・サービスの向上」、「人の力の向上」、「新しい商品の企画・造成」を今後も推進し、「世界一の品質」を実現したいと語った。
09年度については、円高と燃油サーチャージの下落、ランド部分での競争激化による仕入コストの縮小により、「強い追い風が吹いている」と強調。航空会社の座席数も、「全体的には減少するのではないかと見ている」としつつ、業務渡航の需要減少にともないレジャー向けの座席供給は増加すると予測。その上で、観光庁の本格的なスタートとなる一年でもあることから、「今まで以上に業界の競争と協調が必要になる」と語った。このほか、具体的な市場の動向と対策としては、「ハネムーンや熟年層の需要は根強い」と期待を示すほか、地方市場の活性化のためにチャーター便の活用も進める方針を示した。
なお、収入面では、07年度の黒字計上に対して08年度は現在のところ赤字化する見通し。09年度は旅客数7%増をめざすものの「楽観はできない」とし、コストの一層の効率化を進める考えを語った。
▽上期商品は全て「総額表示」も手数料変更せず−45周年記念商品も
燃油サーチャージの表示方法は、全ての商品で「総額表示」を採用した。他社では、燃油サーチャージが引き下げられた場合に、その変化を代金に反映できないためデメリットと捉える会社もあったが、「わかりやすさ」を最重視したという。また、販売店への手数料率は変更しておらず、ジャルパック側が支払う手数料は増加することとなる。これについてジャルパック常務取締役の芳野和俊氏は、他社が手数料率を変更する中で、競争力を維持する目的もあると説明した。
商品のテーマは、「ジャルパックは45周年『感謝を感動に』更に品質にこだわった旅を提供します」。特徴としては、「ジャルパック誕生45周年記念ツアー」や記念キャンペーンの設定、プレミアム戦略の強化、シニア向けサービスの拡充、海外ウェディングやハネムーナーの強化など。キャンペーンは消費者向けと販売店向けの2つを同時に展開する。また、プレミアム戦略の一環として、「世界紀行」を4コース増やして28コースと拡充したほか、はじめてクルーズを1冊のパンフレットにまとめた。クルーズは、プレミアムとラグジュアリーのクラスを取り上げ、寄港地観光を船会社のものではなく、ジャルパックが独自に手配したコースを組み込むなど独自性を打ち出した。
このほかシニア向けには、一部商品で出発の60日前までに予約した60歳以上の夫婦に「2人でおとなりシート」を提供するなど、サービスを拡充。海外ウェディングも、ハワイとグアムでパンフレットをそれぞれ1冊ずつ作成し、内容も顧客と販売店が目当てのコースを探しやすいように工夫した。
▽09年度上期の販売目標人数
(方面/合計/アイル/アヴァ(それぞれカッコ内は前年比)
ハワイ/6万3000人(14%増)/1万7000人(12%増)/4万6000人(14%増)
アメリカ/1万500人(10%増)/3400人(19%増)/7100人(6%増)
ヨーロッパ/1万8500人(8%増)/5600人(5%増)/1万2900人(9%増)
アジア/3万7000人(9%増)/1万500人(15%増)/2万6500人(7%増)
オセアニア/9700人(32%減)/2500人(25%減)/7200人(34%減)
グアム/2万5400人(6%増)/2900人(5%増)/2万2500人(6%増)
中国/1万1400人(34%増)/1800人(103%増)/9600人(26%増)
台湾/7900人(14%増)/1700人(3%増)/6200人(18%増)
世界紀行/600人(19%増)/600人(19%増)/−/−
合計/18万4000人(7%増)/4万6000人(8%増)/13万8000人(7%増)
▽09年度通期の販売目標人数
(方面/合計/アイル/アヴァ(それぞれカッコ内は前年比)
ハワイ/12万3300人(12%増)/3万300人(8%増)/9万3000人(13%増)
アメリカ/1万9200人(8%増)/6200人(11%増)/1万3000人(7%増)
ヨーロッパ/3万8300人(10%増)/9300人(6%増)/2万9000人(11%増)
アジア/8万1200人(8%増)/1万6200人(6%増)/6万5000人(9%増)
オセアニア/1万7400人(31%減)/4900人(30%減)/1万2500人(31%減)
グアム/4万7300人(7%増)/5300人(5%増)/4万2000人(7%増)
中国/2万9400人(22%増)/7400人(24%増)/2万2000人(21%増)
台湾/1万3900人(11%増)/3400人(4%増)/1万500人(14%増)
世界紀行/1000人(14%増)/1000人(14%増)/−/−
合計/37万1000人(7%増)/8万4000人(5%増)/28万7000人(8%増)
※訂正案内(編集部 1月26日 11時05分)
09年度上期販売目標人数
誤:アメリカ/1万5000人(10%増)
↓
正:アメリカ/1万500人(10%増)