「現在窮乏、将来有望」−飛躍の機会は眼前に 全日空社長 山元峯生氏

  • 2009年1月6日
 昨年の秋以降、企業が出張を手控え、多くの方が将来への不安から消費に慎重になっているために、ANAグループの収入も落ち込みが顕著になっている。私は、今年もこの傾向は続くと覚悟している。

 しかし、悲観ばかりすることはない。幸いなことにANAグループには、飛躍し得る機会が眼の前に広がっている。今年9月の沖縄貨物ハブ構築、来年3月の成田空港発着枠拡大、来年10月の羽田空港発着枠拡大・本格国際化だ。これらの機会をチャンスにできるANAグループになるために、改善にとどまらない改革を加速させていく。現在、改革メニューを織り込んだ新しい中期経営戦略を策定しているところである。改革は変化を伴うもの。今までのやり方と決別する覚悟を持ち、どのような変化にも順応していきたい。

 今年は己丑(つちのとうし)。「己」には糸の乱れを正すという意味があり、「丑」は糸偏をつけると「紐」となり、結ぶ、束ねるという意味があるという。「己丑」は、何ごとにも黙々と向かい、粘り強く努力をして将来の飛躍に備えるのに良い年と言われている。ANAグループにとって、安全が経営の基盤であり社会への責務であることを忘れることなく、team ANAとして一致団結して、「現在窮乏、将来有望」を信じ、今年を明るく前向きに歯を食いしばって乗り切っていきたい。


(一部、編集しました)