「旅の価値」の追求−当事者意識で逆境に取り組む HIS社長 平林朗氏

  • 2009年1月6日
 昨年は個人消費の失速が旅行業界にも大きく影を落とす厳しい一年だった。レジャー費は家計の余剰予算の対象であるため、世界経済の減速による影響が懸念される。しかし、だからこそお客様目線の商品造成や販売が不可欠であり、商品及びサービスの品質と価格のバランスを見極めていかなくてはならない。お客様にとっての「旅の価値」とは何なのか。この危機をチャンスに変えるうえで避けては通れない課題である。昨年4月に開設した『いい旅研究室』では、安心して旅を楽しんでいただけるための品質管理や、お客様の満足のポイントがどこにあるのか、などを徹底して追求しきた。総額表示もその活動の一環だ。

 逆境とされる時こそ、時が過ぎるのを単に待つのではなく、どうすれば自ら危機を脱しチャンスに変えることができるのか、当事者意識をもって取り組み進むことが必要であり、HISのスタイルだと自負している。昨年4月にHISは新体制をスタートさせており、2009年を第二創業期元年と考え、世界にチャレンジするHISを始動する。日本の需要喚起のみならず、世界中の方々が旅を楽しんでいただけるよう、将来目標の全世界1000店舗への礎となる一年とする所存だ。

 幸い、円高進行による海外旅行への意欲増、燃油サーチャージ値下げ、秋の5連休など、2009年には海外旅行業界に期待できる要素が多数あげられる。この追い風を逃さぬよう、「お客様本位」の視点を追求し続け、臆することなくビジネスモデルを見直すことを常に意識して邁進していく。


(一部、編集しました)