国交省、羽田拡張後の発着枠配分の懇談会、新規枠や地方路線のあり方論点に

  • 2008年12月19日
 国土交通省航空局は再拡張後の羽田空港の国内線の発着枠について、航空局長の私的懇談会として「羽田空港発着枠の配分基準検討懇談会」を開催する。羽田空港、および混雑空港の発着枠配分については5年ごとにその使用を見直すこととしているため、5年ごとに懇談会を設けている。前田局長は挨拶で、「羽田の拡張は国際化が話題になるが、私は常々、国際線は成田が主空港で羽田は補完と述べている」と改めて、羽田では国内線を重視する姿勢を示したうえで、「抜本的に拡大する発着枠の活用は航空行政の最重要課題。ネットワークを強化し、持続的に発展することが大切。貴重な議論を出していただきたい」と語った。

 羽田空港は2010年10月の供用開始後、現在の年30.3万回から年40.7万回に段階的に増加することになっており、1時間あたりの処理能力は現在の63回(出発・到着の合算)から70回に増加。発着枠は1日あたり130回増加し、そのうち56回・28便を国際定期便に振り分け、国内定期便の増便数は74回・37便になる。今回の議論の対象はこの37便の振り分け。論点は、新規優遇枠の必要性や規模、競争促進のあり方、および地方路線の維持・形成のための方策で、小型機の乗り入れの取り扱いや発着枠割り当てに際して大手航空会社で実施する評価方式を新規航空会社にも対象とするなどもポイントとなる。懇談会は全6回開催し、2009年7月ごろに報告書を取りまとめる予定だ。