観光関連予算、1.21倍の77億円を要求−VJCアップグレードに注力

  • 2008年8月28日
 国土交通省総合政策局観光部門は来年度の予算概算要求について、観光庁の予算として前年比1.21倍となる77億円とし、今後、財務省と折衝を進める。予算の柱は(1)国際競争力の高い魅力ある観光地の形成、(2)観光産業の国際競争力の強化および観光の振興に寄与する人材の育成、(3)国際観光の振興、(4)観光旅行促進のための環境の整備、の4項目。これ以外に日本政府観光局(JNTO)の運営交付金、世界観光機関(UNWTO)分担金など行政経費を要求する。

 予算要求でもっとも多い額を占める国際観光の振興は、ビジット・ジャパン・アップグレード・プロジェクトとして昨年から取り組むリピーターの育成などを継続、拡充する。12の重点市場は青年交流、文化芸術の発信など外務省、文部科学省をはじめ他省庁との連携も踏まえながら取り組む。また、今後の訪日旅行者のリピーター化、および新興市場としてインド、ロシア、マレーシア、フィリピン、インドネシア、イタリア、スペイン、ベトナム、メキシコ、湾岸諸国などを調査対象とし、2010年以降の取り組みの準備を進める。さらに、旅行者の満足を高めるため、行動実態調査、受け入れ環境の調査なども計画している。

 また、ODA対象国での日本人観光客の受け入れ体制や観光プロモーションの向上策として、国際観光交流促進のための支援事業として1800万円を要求し、アフリカ、ラオス・カンボジア・ベトナム・タイなどメコン川流域の調査、プロモーション、セミナー・研修など、開発途上国を支援することで、アウトバウンドへの側面支援とする。


▽観光関連部門(観光庁)概算要求(要求項目/要求額/平成20年度予算額/前年比)
国際競争力の高い魅力ある観光地の形成 6億3992万円/4億1585万8000円(1.54倍)
・国際競争力の高い魅力ある観光地の整備促進事業 6億2992万円/2億7908万1000円(2.26倍)
・観光地の魅力向上に向けた評価手法調査 1000万円/0(皆増)
・観光ルネサンス事業 0/1億3677万7000円(皆減)

観光産業の国際競争力の強化および観光の振興に寄与する人材の育成 7697万6000円/7471万4000円(1.03倍)
・観光の振興に寄与する人材の育成 5769万2000円/5441万5000円(1.06倍)
・観光産業のイノベーション促進事業 1928万4000円/2029万9000円(0.95倍)

国際観光の振興 44億7230万7000円/34億2138万4000円(1.31倍)
・ビジット・ジャパン・アップグレード・プロジェクトの推進 41億94万6000円/30億3042万1000円/(1.35倍)
・国際会議の開催・誘致の推進 3億7136万1000円/3億7136万1000円(1.00倍)
・世界観光機関(UNWTO)地域委員会 0/1960万2000円(皆減)

観光旅行の促進のための環境の整備 8338万1000円/7711万円(1.08倍)
・ユニバーサルデザインツーリズム促進事業 1008万8000円/0(皆増)
・国内旅行需要創出・平準化等促進実証事業 1776万円/1869万5000円(0.95倍)
・ニューツーリズム創出・流通促進事業 5553万3000円/5553万3000円(1.00倍)
・ユニバーサルデザインの考え方に基づく観光促進事業 0/288万2000円(皆減)