ルックJTB、上期は販売人数3%減で苦戦−年間目標は下げずに使命を果たす

  • 2008年7月18日
 ルックJTBの2008年度上期の販売人数は、前年比3%減の66万5000人となる見込みだ。2008年第1四半期は前年並みで推移したものの、ゴールデンウィーク以降予約が低調になり、第2四半期は7%減から8%減で推移。JTBワールドバケーションズ代表取締役社長の北島文幸氏は、「7月から9月も予約取り消しが毎週発生しており、追加商品を投入しても減少が多く追いつかない。国内へのシフトもなく、かつてない予約動向」とし、「燃油サーチャージの高騰と景気後退により、マーケットは予想以上に厳しく、有事に匹敵する危機的状況」と語った。下期の目標人数も、「この状況は長期化すると考えられ、現状では人数を見込むことは困難」だという。ただし、「ホールセーラーの使命として、自社の利益だけでなく販売店の売上に貢献しなければならない」ことから、期首に設定した目標人数は変更せず、「7月中に対策を決定し、挽回していく」方針を示した。

 下期は、上期の方針を変えず、質の向上と量の拡大を継続。特に、「苦しい時は正攻法」との考えから質の向上を促進する。消費者ニーズの把握とマーケティング機能の強化とともに、質と価格のバランスの保持にも取り組む。販売店との関係も「お客様として再認識し、サービス体制と商品力を強化していきたい」という。また、北島氏は「ヒット商品を出したい」と語り、新たな取り組みを示唆した。

 なお、新中期経営計画について北島氏は、「成長」をテーマに、逆境が長期化する可能性が高く、9.11やSARSのようにリバウンドも期待できない状況を前提に、「一気に成長する」計画を策定する考えを示した。


▽下期商品は「ルックJTBだから」にこだわり質を追求−40周年企画も追加

 下期商品は、質の向上とともに、40周年企画を追加設定する。質の向上は、例えばヨーロッパ基幹商品の「ボンジョルノ・イタリア」では、2名催行と並び席を確約する。「ルックJTBたびケータイ」も、コンテンツや機能を拡充する方針だ。また、「ルックJTBだから行ける」や「ルックJTBだから知っている」内容とすることで、他社商品との差別化をはかる。例えば、ドバイではザ・パーム・ジュメイラ内に新規開業する「アトランティス・ホテル」の部屋を確保したほか、インドではタージマハールビューを確約するホテル、フランスではモンサンミシェルのライトアップが眺められるホテルなどを用意した。

 40周年企画商品は、滞在型と周遊型の「くつろぎの旅」と「世界遺産紀行」、「ドバイとアラビア半島の国々」の4企画を強化。くつろぎの旅では、ベストシーズンを迎えるインドやエジプトで連泊するゆとりのある周遊コースや、クリスマスと正月を洋上で迎える南米最南端クルーズなどを設定。また、世界遺産紀行では、初めてアルジェリアのコースを造成した。なお、くつろぎの旅の上期の販売実績は、2企画合計600名弱で、平均販売単価は120万円以上となった。また、世界遺産紀行は約1200名で、人気コースは「パリから行く小さな旅」、「アンコール遺跡」、「イグアスの滝とインカ帝国の夢」の順であった。

 なお、国土交通省の通達改正によって義務付けられた燃油サーチャージの表示方法は、「近接表示」を選択している。


▽ルックJTB上期販売見込・年間販売目標
・上期販売見込
(方面/目標人数/対前年度比)
ハワイ/12万5000人/5%減
ミクロネシア/12万5000人/4%増
アメリカ/3万9000人/8%増
ヨーロッパ/8万5000人/4%減
アジア/23万6000人/4%増
中国/1万9000人/53%減
オセアニア/3万7000人/17%減
合計/66万5000人/3%減

・年間販売目標(08年1月発表)
ハワイ/25万4000人/4%減
ミクロネシア/26万3000人/4%増
アメリカ/7万2000人/増減なし
ヨーロッパ/18万人/7%増
アジア/48万人/2%増
中国/9万9000人/16%増
オセアニア/10万2000人/4%増
合計/145万人/3%増


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