ジャルパック、08年度上期の販売人数は20%減−組織改編で厳しい環境乗り切る

高橋氏は、こうした厳しい環境を乗り越えるため10月をめどに組織改編を実施し、「筋肉質な企業体質」を構築すると言明。詳細は未定だが、マーケティング機能を一体化して強化するほか、組織のスリム化を図り、コストを削減する方針だ。コストの圧縮方法として、人員削減については否定しなかったものの、「既に人事・賃金体系は刷新して人件費の単価は下がっている。まずは業務に対して適正な人数を見極める」とした。また、海外にある現地法人の整理については、「決まったことはないが、日本航空グループとして具体的に検討していかなければならないだろう」と述べた。また、パンフレットも2009年度上期までに見直す方針で、部数や見やすさなどについて検討する。
なお、国土交通省の通達改正によって義務付けられた燃油サーチャージの表示方法は、「近接表示」を選択。高橋氏は「航空会社の仕組みが変われば別」と前置きしつつ、総額表示は困難との見方を示した。
▽下期商品も「品質へのこだわり」、特に人的サービスを充実
下期商品のうちアイルは、通年テーマの「品質へのこだわり」にのっとり、品質を追求。また、燃油サーチャージの上昇を受けて、価格競争力のある商品造成をめざした。特に人的サービスの充実を意識し、ジャルパック専属のツアーコンダクター全員が日本渡航医学会認定の「トラベルヘルスマネージャー」の資格を取得。このほか例えばハワイでは、旅慣れない人向けに現地係員がホテルのチェックイン時に部屋まで同行するほか、食事の際にはメニューのオーダーもするコースを新設。また、イタリアでは、イタリアに精通したコンダクターが地元の人々に人気のあるレストランなどを案内するコースを設定した。バリ島のデンパサール空港では、「アイル専用ラウンジ」を開設している。
また、「プレミアム戦略」として富裕層やリピーター向けの商品を強化。上期に好調であった名門ホテルに宿泊する「ザ・ホテル」のコースとサービスを充実したほか、JALプレミアムエコノミーとJALエグゼクティブクラスを利用するコースを拡充した。海外ウェディングやハネムーナーに向けては「アイル・ハネムーナー60日前早決めキャンペーン」を、バリ島とグアム、オーストラリアでもJL便指定の全コースを対象とした。早期割引では「アイル・リゾート早決」として、リゾート方面で早期に予約した旅行者を対象に割引サービスを適用する。
なお、路線変更を行うカンタス航空(QF)グループの航空便利用については、現状ではジェットスター(JQ)が成田での運航を開始する12月18日以降の価格を設定しておらず、JQの利用は検討中だ。
▽2008年度上期販売見込み・下期販売目標
・2008年度上期販売見込み
方面/アイル人数/前年比/アヴァ人数/前年比/合計/前年比
ハワイ/1万5500人/8%減/4万1000人/16%減/5万6500人/14%減
アメリカ/2800人/27%減/6800人/27%減/9600人/28%減
ヨーロッパ/5700人/15%減/1万2000人/22%減/1万7700人/20%減
アジア/7900人/22%減/2万3600人/29%減/3万1500人/27%減
オセアニア/3500人/24%減/1万1300人/24%減/1万4800人/24%減
ミクロネシア/2800人/42%減/2万1600人/14%減/2万4400人/19%減
中国/1800人/60%減/6000人/60%減/7800人/60%減
台湾/1800人/18%減/5500人/34%減/7300人/30%減
世界紀行/400人/34%増/−/−/400人/34%増
合計/4万2200人/20%減/12万7800人/24%減/17万人/20%減
・2008年度下期販売目標
方面/アイル人数/前年比/アヴァ人数/前年比/合計/前年比
ハワイ/1万5200人/8%減/4万7000人/7%減/6万2200人/7%減
アメリカ/3000人/5%減/8300人/7%減/1万1300人/7%減
ヨーロッパ/4100人/10%減/2万2000人/5%減/2万6100人/5%減
アジア/9300人/5%減/34200人/2%減/43500人/2%減
オセアニア/4000人/29%減/1万500人/31%減/1万4500人/30%減
ミクロネシア/3000人/14%減/2万1500人/10%減/2万4500人/11%減
中国/4500人/12%減/1万1000人/16%減/1万5500人/15%減
台湾/2500人/4%減/7300人/5%減/9800人/4%減
世界紀行/400人/17%増/−/−/400人/17%増
合計/4万6000人/5%減/16万1800人/4%減/20万7800人/5%減