スリランカ、観光副大臣が来日し安全性をアピール−観光協議会の設立も

  • 2008年7月16日
 スリランカ観光副大臣のファイザー・ムスタファ氏は現在、6月27日に外務省がコロンボを含む西部州の渡航情報レベルを引き上げたことを受け来日している。ムスタファ氏が来日するのは昨年9月以来で、滞在中は外務省や日本旅行業協会(JATA)を訪問し安全性をアピールする。スリランカでは、1月16日に政府とタミル人反政府組織「タミル・イーラム解放の虎」(LTTE)との無期限停戦合意が失効して以来、治安が悪化している。ムスタファ氏は、「テロは世界規模に広がっている」とした上でテロとの戦いの決意を明示した。なお、北部と東部で多発していたテロだが、現在は東部の状況は安定しており、日本人観光客がビーチでサーフィンなどを楽しんでいる姿も見られるという。

 渡航情報のレベル引き上げはスリランカでも懸念されており、日本政府に現状を伝えることで理解をえて、減少傾向にある観光客の増加をはかる。安全性と合わせて多様な魅力をアピールし、「百聞は一見にしかず」として、オペレーターやメディアに実際に訪問するよう積極的に提案していく姿勢だ。JATA関係者にもスリランカの視察を打診しており、間もなく最終日程が決定するという。

 また7月15日には、「JAPAN SRILANKA TOURISM COUNCIL(日本スリランカ観光協議会※日本語の名称は仮称)」が会議でメンバーの承認をえて正式に設立された。これは、スリランカの観光促進を目的とするもので、日本の旅行会社や大使館が協力して盛り上げていく。委員長はバケーションマーケティングコーポレーション代表の成田忠彦氏を中心に旅行会社の8名と、後援者として参加するスリランカ大使のランジット・ウヤンゴダ氏で構成する。ウヤンゴダ氏によると、設立の構想は2年前からあり、既存の「ジャパン・スリランカ・ビジネスカウンシル」との連携で勢いがつくと見込んでいる。安全性への理解を求めるとともに、日本と同じ仏教国であり、歴史や文化遺産などの素材、インドと比べても引けをとらない多様性を魅力として訴求していく考えだ。


▽関連記事
エス・ティー・ワールド、スリランカツアーを催行中止、情勢不安で自社判断(2008/06/13)

外務省、コロンボでスポット情報、正月祝典に注意喚起−ULは通常運航(2008/04/08)

スリランカ、安全性アピールで渡航者数50%増目指す−観光局の設置も計画(2007/09/12)