全日空、新IT運賃に前向き−「徐々に進んでいる」
全日空(NH)は、燃油サーチャージ込みの旅行商品造成用運賃「新IT運賃」の導入を前向きに検討している。NH広報室は、「旅行業界や利用者の『わかりやすさ』への要望に対して、社内で対応策を協議している」とコメント。「非常に難しく、決定した事項はまだないが、前向きに取り組んでおり徐々に進んでいる」という。日本旅行業協会(JATA)が5月に航空各社に要望書を提出して以来、「NHは積極的な姿勢を示している」と噂されていたが、このほど初めて前向きな検討を進めている姿勢を明確にした。
他の航空各社は導入に否定的な意見が多く聞かれているなか、NHが前向きな姿勢を表明したことで、燃油サーチャージ額の徴収方法をめぐる議論に一石を投じそう。ただし、「1社のみの導入は困難ではないか」と、市場全体のシェアを念頭に置き、各社の対応が分かれることに懸念を示す発言もある。また、燃油費が高騰する中で、JATAが5月に要望書を提出した時期の価格からさらに上昇していることに配慮し、旅行会社側では「当面は近接表示とし、(原油相場などの)状況を見ながら改めて検討する」という意見や、「新IT運賃では仕入れが従来の6ヶ月から3ヶ月の期間を検討する必要がある」といった考えも聞かれていたところ。ただし、燃油サーチャージ額が旅行代金に近い金額となったり、逆転したりという状況が生まれ、需要への懸念と板ばさみの状況にあり、航空、旅行会社が対応を模索している、というのが実情だ。
先ごろの国土交通省の通達が「燃油サーチャージは旅行代金の一部」という見解を示したことで、航空会社に対しても燃油サーチャージのあり方を再考する機会となったようだ。仮に導入を決定した場合、国交省が先ごろの通達で求めていた「総額表示」についてNH指定の商品は可能になる。特に「消費者目線」が重視される社会的な風潮もあいまって、今後の航空各社がどのような姿勢を示し、それにともない旅行会社が造成する旅行商品の価格表示が本質的な改善につながるか、需要との兼ね合いをにらんだ判断となりそうだ。
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