ジェットスター、成田線も旅行会社重視、QFと営業協力−東京支店長にAC中田氏

  • 2008年7月15日
 ジェットスター航空(JQ)は2008年12月18日、成田/ケアンズ線週7便と成田/ゴールドコースト線週5便で就航する。JQの成田就航は燃油高騰を受けたカンタス航空(QF)グループの路線再編によるもので、QFの成田/ケアンズ線と成田/メルボルン線の代替となる。JQ日本支社長の片岡優氏は7月14日の記者会見で、「関西と中部での展開で、日本の流通環境に適応してきた。格安航空会社(LCC)として直販をおこなうが、東京でも引き続き旅行会社を重視する」と明言。QF日本支社長の荻野雅史氏も「QFが築いた旅行会社との関係をJQが引き継ぐ」とした上で、「QFとJQの販売方法やツールは異なるが、グループとして協力し、旅行会社に販売してもらう基本方針に変わりはない」と強調した。

 JQグループ・ジェネラル・マネジャー・コマーシャルのブルース・ブキャナン氏は、「これまでの(関西と中部の)日本路線は、ロードファクターが70%半ばから70%後半となるなど好調」とし、人口の多い首都圏での展開に期待を示した。QFは、成田/ケアンズ路線の撤退理由として週14便で年間約1億米ドル(約106億4170万円)の赤字が発生するとしていたが、JQであれば「コストがQFより40%少なく、利益は得られる」という。成田/ケアンズ線で日本航空(JL)とのコードシェアが原則的合意に達しており、成田/ゴールドコースト線も交渉を進め、日本発とオーストラリア発の両方の需要を取り込んでいく考えだ。QFとの競合の可能性については、「JQはレジャーにフォーカスしており、既にさまざまな路線で補完的に共存できている」とした。

 JQは8月中をめどに東京支店を設立。支店長には、エア・カナダ(AC)の現日本地区旅客営業・マーケティング部本部長の中田茂氏が着任する。就航キャンペーンとして成田/ケアンズ線と成田/ゴールドコースト線の運賃を往復2万円から設定するなど低価格運賃を積極的に打ち出し、需要喚起をはかる。荻野氏は「市場に対して新ブランドを投入することになる。商品の幅を広げて選択肢を増やし、訪問者数の増加に繋げたい」と言及。また、ブキャナン氏も、LCCとして新しい需要の掘り起こしを進める方針を示した。

 なお、中部発の路線は12月以降、運休となるが、同地域の展開については「今後の営業体制は未定だが、成田と関空を利用できる場所であり、引き続き力を入れる」(片岡氏)方針。東海、近畿、北陸などの周辺地域でも販売促進に取り組む考えだ。


▽JQ就航記念特別運賃
成田/ケアンズ:2万円〜
成田/ゴールドコースト:2万円〜
成田/シドニー:3万円〜
※7月14日19時から15日23時までの限定発売。搭乗日は2009年4月1日から2009年6月30日まで(ゴールデンウィークを除く)。予約はウェブサイトにて受付ける。


※本文中の一部数値と表記が誤っておりました。訂正いたしますとともに、お詫びいたします(編集部 8月15日17時20分)。


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