HIS平林社長、ゼロコミッションの対応急ぐ−航空会社は旅行会社の存在意義の再考を

  • 2008年7月10日
 エイチ・アイ・エス代表取締役社長の平林朗氏はトラベルビジョンのインタビューに応え、米系航空会社が国際航空券の販売手数料の廃止(ゼロコミッション)を旅行会社に通知し、日本市場でもコミッションが廃止される流れをふまえ、消費者から手数料を収受する「フィービジネスにも限界がある」とコメントした。HISでは海外発券やホテル単体での販売などにおいて、既に消費者から手数料を徴収しているとしつつ、フィービジネスの方向性を模索する現状を「生計を立てるレベルには至っていない」という。

 ただし、フィービジネスへ移行する上で「航空会社にとって、旅行会社の存在意義を問い直さなければ」と強調する。これは、HISでは顧客対応など、店舗の役割が大きく消費者に課金しつつも、これまで航空会社から得ていたコミッション分を全て消費者負担とすることにも懸念を示したもの。このため、消費者と航空会社の双方から、手配をした対価を得られる形態が必要で、そのバランスを図っていくと想定される。また、消費者から手数料の収受にあたり、「あらゆる不測の事態に対応をする『保険』のような意味合いを含むもの」の検討が必要との考えを示し、例えば急遽の旅程変更などの対応力も含めたサービス提供に課金の可能性があるという。


※インタビューの詳細は後日、「トップインタビュー」に掲載予定


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