夏休みの海外旅行人数は7.0%減、平均費用は上昇−JTB推計

  • 2008年7月7日
 ジェイティービー(JTB)がまとめた夏休み(7月15日から8月31日)の旅行動向調査によると、2008年の夏休みの総旅行人数は前年比1.1%減の7575万人、このうち海外旅行は7.0%減の225万人、国内旅行は0.9%減の7350万人となる見込みだ。海外旅行は2年連続、国内旅行は4年ぶりの減少となる。海外旅行では燃油サーチャージの高騰があるが、夏のボーナスが前年並みからややマイナスになる見通しで、食品や日用品、ガソリン代など各種の値上がりつづき、消費者心理に不透明感が出ているようだ。パッケージツアーの予約状況も期間中は前年を下回っている。

 燃油サーチャージを除いた海外旅行の平均費用は、海外ホテルの実勢価格が上昇していること、米ドル圏以外で円安となっていること、ヨーロッパ方面の高額商品やアメリカ方面が堅調であることから、3.4%増の24万円となる見込み。ただし、物価上昇や燃油サーチャージの高騰は、ファミリー層に影響を与え、人数の減少や「安近短」の傾向を引き起こしており、その反面、高額消費をいとわない層が、例えば地中海クルーズを組み込んだ80万円前後の高額商品が好調に推移するなど、二極化が顕著に見受けられる。一方、国内旅行の平均費用は、ガソリン代の上昇や物価の上昇の影響を受け、北海道や東北などの遠距離旅行が伸び悩み、1.1%減の3万5800円となる見込みだ。

 海外旅行の方面別の傾向は、グアム・サイパン方面で、夏休み限定の体験ツアーなど子供連れ向けのイベントを用意し、子ども料金が半額であること、燃油サーチャージが比較的安いことも手伝い、ファミリー層の人気が集まっているという。高額商品ではフライ&クルーズの人気が高く、地中海やエーゲ海、アドリア海などのクルーズのほか、ドナウ川やライン川のリバークルーズなど、ヨーロッパのリピーターが楽しんでいるという。なお、アメリカ方面の旅行者数は0.1%増とわずかであるが、前年を上回るという。サンフランシスコ/ヨセミテ/ロサンゼルスなどを添乗員付きで周る周遊型プランが復活する兆候があるという。

 なお、方面別の旅行者予測は下記のとおり。


▽2008年夏休みの海外旅行人数(方面/人数/前年比)
総数/225万4000人/7.0%減

アジア合計/114万7000人/11.9%減
中国/24万人/36.6%減
韓国/28万8000人/4.3%増
台湾/13万人/4.4%減
香港/9万9000人/変化なし
タイ/11万4000人/7.3%減
シンガポール/5万7000人/8.0%減
インドネシア/8万人/変化なし
マレーシア/3万人/3.2%減
その他/10万9000人/6.8%減

北米州合計/61万6000人/0.1%増
ハワイ/20万6000人/3.7%減
グアム・サイパン/16万5000人/2.4%増
米国本土/20万4000人/3.0%増
カナダ/4万1000人/2.3%減

欧州合計/34万5000人/1.9%減

大洋州合計/10万5000人/7.0%減
オーストラリア/7万4000人/7.5%減
ニュージーランド/1万5000人/6.2%減
南太平洋/1万6000人/5.8%減

その他(アフリカ・中近東・中南米)/4万1000人/4.6%減