北海道、観光立国推進戦略会議で「免税特区」を要望−「観光立県」に期待

  • 2008年6月23日
 北海道知事の高橋はるみ氏と北海道観光振興機構会長の坂本眞一氏は6月20日、総理大臣官邸で開かれた観光立国推進戦略会議に出席、「特定免税店」などの観光振興策を訴えた。特定免税店は、道内の特定の施設で、日本人を含む旅行客が携帯して道外に持ち出すために購入する輸入品について、関税を免除するもの。道内の6空港と札幌市内などでの展開をめざす。道外から訪れる観光客は2006年には年間600万人で、うち海外からの観光客が59万人であったが、ショッピング観光の創出により、新千歳空港と札幌店だけで訪問者数47万人増、外国人訪問者数が8万人増、新規雇用700人増の効果を見込む。道内での観光消費額は約440億円になるとの試算だ。

 また、函館までの開業が決定している整備新幹線の札幌への延伸も要望。延伸により、東北や北関東との交流増加、札幌/青函/仙台の都市圏の一体化がはかられ、年間5100億円の経済波及効果を得られるという。鉄道と航空を合計した交流人口は2003年には1960万人であったところ、2020年に札幌まで開業した場合は合計2470万人に増加、新幹線利用者が1420万人になると試算した。また、首都圏から東北と北海道を周遊するなど、新たな観光ルートが生まれるほか、外国人向けのジャパンレールパス利用者を北海道に誘致でき、コンベンションの誘致も可能と訴えた。


▽洞爺湖サミットで魅力アピールし、沖縄同様「観光立県」を

 今回の観光立国推進戦略会議は、洞爺湖サミットの開催を前にし、議題の1つに「北海道洞爺湖サミットを契機とした北海道・日本の魅力の世界への発信及び観光振興策」を設定。冒頭の挨拶で、内閣官房長官の町村信孝氏は、「洞爺湖サミットは、世界中の国々が直面している環境問題について議論する場で、世界からの注目も高い。これを機に北海道と日本の魅力をアピールしていきたい」と語り、「2000年に沖縄でサミットを開催した際には、終了後に大きく『観光立県』に前進した」ことから、同様の効果に期待を示した。高橋知事らは、上記のほか、北海道と日本の魅力発信の強化の一環として、国際旅行博覧会への出展や海外でのメディア露出、FAMツアーの招聘、国際会議の誘致も進める方針も明らかにした。