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冬柴大臣、改めて「中部の2本目滑走路には利用促進必要」−愛知県知事要望に

  • 2008年5月9日
 愛知県知事の神田真秋氏は中部国際空港の2本目滑走路建設に向け、5月8日に国土交通大臣の冬柴鐵三氏に要望書を提出した。これを受けて冬柴氏は、「24時間化のためには2本目が必要」と理解を示した上で、改めて「もう少し利用促進を」と需要喚起に注文をつけた。会談後、神田氏は「需要喚起は地元の仕事」とし、旅客分野では「国内線、国際線ともに、官民を挙げて戦略的に取り組んでいく」と表明。また、この要望活動が先ごろに結成した中国際空港二本目滑走路建設促進期成同盟として実施したことについて「今回は最初の要望活動。前向きに話ができ、いいスタートになった」と手ごたえ感を示し、「需要喚起や計画作り、地元の理解などを地道に積み上げて着工に結びつける」と決意を語った。5月8日には自由民主党中部国際空港拡充議員連盟総会も開催されており、「(期成同盟や議連など)こうした組織がベースとなって盛り上がりや牽引力、推進力になる」と歓迎した。

 2本目滑走路の現在の焦点は、今年度に策定する予定の国土形成計画と社会資本整備重点計画での位置づけだ。神田氏は、「前提となるアジア・ゲートウェイ戦略の中でも触れられており、これらの計画の中でも一定の位置づけになることは間違いないと考えている」とし、「あとはどのような文言になるのか。より具体化されることを大きく期待している」と言及。そのための課題の一つが利用促進だが、同日に会見した国土交通省航空局長の鈴木久泰氏は冬柴大臣と同様に「減便や運休が続く現状では(新滑走路の必要性を)説明できない」と語る。その上で、発着回数や旅客数の増加が見込める状況を作り出すべきとし、国交省としても航空自由化などで後押しをする考えを示した。

 利用促進策について神田氏は、「燃油高で航空会社も苦戦しており、向かい風が吹いている。しかし、それはどこの空港も同じ条件で、乗り切らなければならず、乗り切れると信じている」と述べた上で、神田氏が近く訪問するドイツでのエアポート・セールスのほか、「経済界でもいろいろと予定している」と説明した。