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ビザまめ知識(9)−代表的な移民法規定違反(ビザトラブル)とペナルティ

  • 2008年4月3日
 今回は移民法規定違反(ビザトラブル)とペナルティについて説明する。移民法規定違反によりペナルティを受けた場合、その修復を行わない限りは一生米国へ入国することができなくなってしまう。下記は代表的な移民法規定違反とペナルティである。

A.不法滞在(嫌疑または経歴)…入国拒否、強制送還
B.不法就労(嫌疑又は経歴) …入国拒否、強制送還
C.適切なビザを所持していない…入国拒否
D.虚偽の申告        …入国拒否     
E.逮捕歴          …入国拒否

「A.不法滞在」、「B.不法就労」、「C.適切なビザを所持していない」

 前述のとおり、入国審査官は米国入国者に対する基本的姿勢として「米国に居住する恐れがある」「米国内で就労の恐れがある」といった懸念を抱いて審査をおこなう。米国入国者はそれらの懸念を払拭する責任が課せられてくるのである。ここで注意が必要となるのは、入国審査官は多少でも「嫌疑」のある者に対して、審査官個人の裁量で入国を拒否することが出来るという点である。実際に、不法滞在歴や不法就労歴がなくても、嫌疑だけで入国を拒否されるというケースが、テロ事件以降、増加しているのである。

「D.虚偽の申告」 

 米国の入国目的が「仕事」であるにもかかわらず、「観光」と言うなど、虚偽の申告をして入国拒否になるケースは多々ある。明らかに嘘をつくという以外にも、自身で認識していなくとも虚偽とみなされる場合があるので注意が必要だ。

具体例:Aさんは過去10年にわたり問題なく米国に入国(出張)できていたが、ある日突然、入国拒否を受けてしまった。実は、Aさんは留学時代に米国内で飲酒運転のために捕まった経歴があるということが、ルックアウトシステムの導入により判明したのである。

 加えてAさんは入国拒否をされるまで数十回にわたり米国を訪問しており、その際I-94Wの出発記録の項目「逮捕歴有無の質問」の回答欄に「ノー」と記載していた。Aさん自身は嘘をついた認識はなかったのだが、過去の逮捕歴と虚偽の申告という二重の罪に問われてしまうことになったのである。移民法では虚偽の申告は非常に重い罪とみなされ、単なるビザ申請だけでなく、免責という手続きをしなければビザ取得ができない状況となる場合が多く、手続きに時間がかかってしまう。

「E.逮捕歴」

 10年、20年以上も前の軽犯罪だから記録が消えたとか、不起訴であったからという理由で逮捕歴がないと思い込んでしまう場合がある。犯罪にもレベルがあるが、現行の移民法では、どのような微罪であってもそれを公表した上でビザを申請する必要がある。


<入国拒否を受ける場合のプロセス>

 入国拒否を受けた場合どのような状況になるのか。まず、あなたは何度も繰り返し観光という目的で米国入国していると仮定する。移民審査官はこれまでの米国への出入国記録を見て「なぜ、このように頻繁に米国に訪問しているのか?」「米国内で働いているのではないか?」と疑いを持つ。あなたは色々と言い訳をするが、それらの言い分は残念ながら信じてもらえなかったとする。

 すると、あなたは別室へ連れて行かれる。そこでは厳しい取調べがおこなわれ、所持品、メモ、資料など全てを検査されてしまう。日本への便があればそのまま帰国させられるが、ない場合は帰りの便がでるまで手錠をかけられ留置ということになる。別室へ連行された全員が必ずしもこのような厳しい取調べを受けるとは限らないが、ほとんどの人は疲れ果てて情けない気持ちで帰国するはめになってしまうようだ。



執筆:チャールズ・W・プレイ弁護士
(アルビスジャパン主任弁護士)

経歴:
前カナダ外交官
カナダ弁護士会会長(1997〜1998年)
CIPC議長

前カナダ外交官。現在は移民法専門事務所のアルビスジャパ
ン主任弁護士として、多くの日本人のビザや永住権などの取
得サポート。米国移民弁護士協会(AILA)、やカナダ弁護士
協会(CBA)や国際弁護士協会に所属し、専門家、企業や法人
に対し米国、カナダ両国の移民に関する法的サービスを行う
国際移民弁護士。 現在、移民問題に関する記事を執筆し、移
民政策に関してカナダの上級政府官僚に定期的にアドバイスしている。



▽ビザまめ知識 シリーズ
ビザまめ知識(1)−9.11テロ事件以降、米国ビザに生じた変化(2007/11/22)
ビザまめ知識(2)−米国ビザ発給数の推移(2007/12/06)
ビザまめ知識(3)−ビザ申請却下の事例と注意(その1)(2007/12/20)
ビザまめ知識(4)−ビザ申請却下の事例と注意(その2)(2008/01/17)
ビザまめ知識(5)−ビザ申請却下を回避するには(2008/01/31)
ビザまめ知識(6)−ビザトラブルとは何か(2008/02/14)
ビザまめ知識(7)−ビザトラブルを受ける要因(その1)(2008/02/28)
ビザまめ知識(8)−ビザトラブルを受ける要因(その2)(2008/03/13)