ジェイティービーの平成20年3月期中間決算（平成19年4月1日〜9月30日）は売上高4.7％増の6978億2800万円、営業利益21.6％減の164億5800万円、経常利益19.6％減の187億5400万円、中間純利益0.1％増の133億5000万円となった。売上高の4.7％増のうち、2.2％はR&Cツアーズ、伊勢丹トラベルが今年度から通期で連結対象となったM&A効果によるもの。経常利益は前年から減少しているが、前年に過去最高の数値であり、今年度の188億円は過去2番目の実績。なお、連結対象は157社で、国内95社、海外62社、および持分法適用会社は18社。M&Aで400名の増加であり、500名超は既存の会社が人員を積極的に増加しており、グループでは人件費が約5％の増加となっている。

　主力の旅行事業の売上高は4.0％増の6248億400万円、このうち海外旅行は6.0％増の2853億5400万円、国内旅行は0.9％増の3188億8600万円、国際旅行は33.6％増の205億6400万円。売上総利益は前年同の1321億3100万円、このうち海外は2.0％増の623億4300万円、国内は3.3％減の652億3300万円、国際は27.5％増の45億5500万円。常務取締役の伊藤正人氏は「国内、海外とも順風ではない」とし、国内は梅雨明けの遅れ、台風など天候不順のほか、大型イベントがなく、収益性の低い商品が売れ減益、海外は地政学的な問題は少ないものの、出国者数が微減で推移したものの、個人向けが順調で中国、アジア方面のほか、円安基調でも欧州方面が伸びたという。

　事業会社群のうち、旅行業の取扱額は前年比3.2％増、計画対比でも0.7%増の1兆2066億8300万円、売上総利益は前年比1.0％増、計画対比で0.1％減の1340億8000万円と、ほぼ想定どおりで推移をしている。主要グループ会社のうち、JTBトラベランドは売上高が2.3％増、経常利益0.2%増、JTB法人東京は売上高0.5％増、経常利益19.1％増、JTBビジネストラベルソリューションズは計上方法の変更等もあり売上高2.3％減も経常は32.1％増となった。また、中国での持株会社のほか、欧州でも持株会社化を明らかにしているが、現時点で海外事業の経常利益のシェアは5億8700万円と3％程度。現時点では旅行原価での取引で相殺されることから、グループ内での利益の現時点でのシェアは低いという。

▽海外旅行方面別取扱人員
ハワイ／25万7534人（2.3％減）
グアム・サイパン／23万4797人（7.2％減）
北米／19万1626人（7.8％減）
アジア計／83万2732人（5.4％増）
中国／22万9140人（11.4％増）
香港／6万503人（4.6％減）
韓国／19万9910人（5.2％減）
台湾／9万6180人（12.6％増）
シンガポール／3万5275人（5.7％増）
その他アジア／21万1724人（10.6％増）
欧州・ロシア／29万9087人（1.3％増）
太平洋州／9万8901人（6.2％減）
計／193万6777人（0.1％増）