中部、売上増も下期の国際線減少で通年は下方修正−中期計画は必達めざす

  • 2007年11月12日
 中部国際空港の平成20年3月期中間連結決算(平成19年4月1日〜9月30日)は、売上高が前年比2.9%増の270億5500万円、営業利益は6.7%減の40億400万円となり、経常利益27.1%減の10億2300万円、純利益が54.2%減の5億6500万円となった。営業費用は、減価償却費の増加があり4.8%増の230億5000万円。また、借入金償却の20億円を計上するなど、経常利益は前年比で減少した。

 中部空港では、08年1月の旅客便が週338便と、開港以来初の国際旅客便が減少する見込み。これを受けて年度末の業績予想も、売上高を当初の予想から3億円減の530億円、純利益を2億5000万円減の1億円などに修正。ただ、中部国際空港代表取締役の伊藤鎭樹氏は、「経営環境は厳しいが、中期計画は経営努力を継続し達成する」と言明。07年度の旅客数目標なども、プロモーション強化などにより達成したいという。

 今後の取組みについて伊藤氏は、ヨーロッパ線とアメリカ線の取組みと格安航空会社(LCC)の誘致などを例示。特に欧米路線は、中部地域の企業からの需要が強く、既に10月から11月にかけて、愛知県知事らとともにトップセールスを実施した。LCCは、2008年5月から就航する格安航空会社のマカオ・エクスプレス(DM)が就航するが、新たな需要創出の効果も期待でき、他のLCCも視野に入れる。また乗継需要が定着傾向といい、今後もプロモーションを継続するほか、現在工事が進む「東海北陸自動車道」も有効活用し、旅客の増加に繋げる考えだ。