日本航空、中間期は経常533億円増−コスト削減で手数料は約51億円減

  • 2007年11月7日
 JALグループの平成20年3月期中間決算(平成19年4月1日〜9月30日)は営業収入が前年比0.6%減の1兆1429億3300万円に留まったが、営業利益は前年比484億円増の566億5200万円、経常利益は533億円増の587億2300万円、中間純利益383.9%増の73億900万円となった。

 このうち、国際線の旅客数は0.8%減の676万569人となったが、旅客収入は3.6%増の3841億8200万円となり、国際線全路線は2.7%増の4812億2400万円。供給量にあたる有効座席キロは5.6%減の452億8621万5000席キロだが、利用率は前年と同じ71.4%を維持。また、大阪発のハノイ、大連、杭州、青島線などで、機材をダウンサイジングしボーイング737-800型機を投入、需給の適正化をはかった。さらに、日本での販売手数料率を7%から5%としたが、これにより上期の販売手数料は前年比51億円減となる579億円となり、収益性の改善につなげた。なお、路線別では円安基調による欧州線、ハワイ線、台湾線など観光需要が強い路線で伸び悩んだが、韓国線が好調に推移、ビジネス需要が強いアメリカ線をはじめ、東南アジア線、中国線を中心に、供給を調整したオセアニア線が堅調に推移し、全体的な客単価が上昇した。なお、年間800本を目標とするチャーター便は上期に450本超となり、観光路線の定期便の減少に対応。また、羽田空港の深夜早朝枠を活用し、日本発と韓国発のインバウンドを組み合わせた旅客増にも取り組み、韓国発では0泊2日のいわゆる弾丸ツアーを設定し、積極策を展開した。

 なお、国内線は旅客数が5.7%減の2219万898人、有効座席キロは2.3%減の261億5464万5000席キロ、国内旅客収入は2.0%増の3458億6200万円。旅客数は他社競合路線での運賃などが影響し、団体需要が伸び悩んだほか、台風にともなう欠航で減少、供給量は関西/札幌線、関西/那覇線の増便で2.3%減に留まっている。

 旅行企画販売事業のうち、ジャルパックはバリを中心としたアジア方面が好調のほか、中国についても前年増と堅調に推移。ジャルツアーズなどを含む全体では前年比2.6%増の1997億5700万円、営業利益31.2%増の10億6900万円となった。


▽業績を上方修正−国際線旅客動向とプレミアム戦略で

 国際線旅客がビジネス需要を中心に旅客数、単価が想定を上回り推移していること、国内旅客、国際貨物も堅調であることを受け、業績を上方修正する。売上高は期初予想から410億円増の2兆2380億円、営業利益130億円増の480億円、経常利益230億円増の440億円、連結純利益などは当初の計画通りの70億円の見込み。収入増に加え、特にプレミアム戦略の効果が下期に顕著に出ると想定。他方、燃油費が増加する傾向であるが、コスト削減とあわせて、営業利益、経常利益が増額する見通し。

 なお、アメリカでの独禁法関連については中間期において115億円超を引当金として特別損失を計上している。