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関空・平野副社長、関西圏の出国率00年レベルに戻らず−単価アップを

  • 2007年10月23日
 関西国際空港代表取締役副社長の平野忠邦氏は10月19日に、日本旅行業協会(JATA)海外旅行委員会において海外旅行需要喚起に関して議論し、関西圏の出国率が芳しくない点を指摘した。関西国際空港を利用する1日あたりの日本人旅客数は開港以来順調に伸びたものの、2000年の1万2695人をピークに低迷。2001年は1万1283人で、2003年のSARS期を除き1万人台で増減を繰り返している。総出国者数では2000年が関西圏は464万7000人で、2006年は386万1000人と伸びていない。全国平均では2000年レベルに迫っているが、関西圏の伸びが芳しくないことが日本人出国者数の低迷の要因の一つという考えだ。

 平野氏は関西圏の海外旅行の低迷する現状であるが、空港としては外国人旅客が増加し、日本人旅客分を補っているという。ただし、日本人旅客減の大きな要因のひとつに、北米線減便の影響がある。北米線は、現在週21便だが、週73便就航時もあり、これと比べ3分の1以下になっている。特に、旅客数の多かったロサンゼルス線では1日400人から500人と1路線で月間1万人超の減少となるだけに、関空発の北米路線が少ないことが、2000年レベルに至らない関西圏の海外旅行者数につながっていると見ている。

 ただし、空港としてもこうした点に取り組む意欲を平野氏は示している。例えば、関空の航空営業部内に「旅グループ」を設置し、関空10点満点、旅のコンクール、関空旅博の企画などを実施。JATAとも海外旅行の需要喚起に協力していく考えを示している。また、関西空港を利用する日本人免税店利用者の1人あたり単価は成田空港と比べ高いことから、「関西圏は安売りを求めているというが、そうではないのでは」と指摘し、旅行商品の購買行動でも、単価の高い商品も売れる可能性も指摘している。