[総評]　JATA旅行博に出展された方、また、会場に足を運んだ業界の方々、おつかれさまでした。「Photo　News」で取り上げており、その雰囲気が伝わればと思います。ただ、この旅行博で毎年残念に思うことは、多くのパンフレットがゴミ箱に捨てられていることですが、今年も業界日から一般日で一部に散見されました。出展者が一生懸命に作ったものがそんな姿にさらされることは、海外から出展している方をはじめ、全ての出展者に対して心苦しく思います。今後の旅行博のあり方を考える方向性の一つに、旅行業界でも意識されつつある「エコ」を加える時期ではないでしょうか。世界観光機関（UNWTO）事務局長のフランチェスコ・フランジャリ氏が今年は国際会議、旅行博に出席されましたが、同氏は今年の世界最大の旅行見本市とされるITBベルリンにおいて、旅行ビジネスが環境問題を強く意識すべき、ということを訴えていました。ビジネス面で「グローバル」が叫ばれていますが、資源の無駄遣いは森林破壊と、ひいては観光業界の最も大事な観光資源を破壊します。来年以降は「エコ・フレンドリー」を意識し、名実ともに「アジア最大のイベント」になることを期待します。

▽参考：フランジャリ氏発言
ITBベルリンはインド対中国の様相−観光成長は途上国に期待、危機対応も重視


　さて、今週は国際会議で議論された旅行業界を取り巻く重要な問題が上位に来ました。ブロック、コミッション、商習慣、そして海外旅行市場のマイナス成長・・・。厳しい環境の変化が徐々に押し迫っている気配を感じる方が多いと思いますが、対応策を真剣に考えたいところです。

　また、気になるところは「社会の仕組みの変革を」というJTB佐々木社長の発言ですが、休日3連休などは確かに効果が高かったと思います。旅行業界として変えるほうが良いものの、その他への影響も考えると、という行政や政治での決着に委ねるものが今後、増えるかもしれません。一方、旅行業界としても出来る最大限のことを進めていく必要もあり、業界各社の努力が結集すると、行政にも動かす大きな声になるのでしょう。（鈴木）



▽トラベルビジョン・記事ランキング（9月第3週：9月18日〜9月21日午後4時）

第1位
◆航空座席流通、ブロックやゼロコミッションなど変化は不可避−JATA国際会議(9.18)

第2位
◆日本の旅行業界の商習慣、グローバル化に対応を−対等関係が原則(9.18)

第3位
◆HIS、業績予想を下方修正−海外旅行市場のマイナス成長が影響(9.19)

第4位
◆シンガポール航空、A380のシンガポール／シドニー線は3クラスで合計471席(9.19)

第5位
◆2000万人「自然体では難しい」、規制や社会の仕組み変革を−JTB佐々木社長(9.18)

第6位
◆アンコール航空、関西、中部発定期チャーター運航、頻度の規制撤廃を受け(9.19)

第7位
◆国際航空協定は独禁法適用の方向−公取の報告書素案「抜本的見直しを」(9.21)

第8位
◆日米航空協議、チャーター便の発着枠は東京発拡大、その他は無制限に(9.18)

第9位
◆西遊旅行の「神秘の王国ブータン」、第14回ツアーオブザイヤーに選出(9.18)

第10位
◆エイビーロード、エアライン満足度調査総合1位はNHに、項目別でJLとEKが2冠(9.20)