紙(パンフレット)の大切さ

  • 2007年7月30日
 さきごろ、「第4回旅行に関する調査--予約や申し込みもリアルからインターネットへと移行」という調査が出ていた。ネットに移行する中、消費者はそれでも「パンフレット」に依存する形は消えない、というものだ。

 調査では「ユーザーが様々なメディアを使い、様々な角度・視点から情報を収集し、分析をしている。今後は、メディアミックスを効果的に活用し、ユーザーとのタッチポイントを増やし、そしてユーザーに最も適した、ユーザーが最も望む情報を提供できるかどうかが重要」というが、仕事を抜きにして考えてみるとどうだろう。

 まず、日常的に新聞を読み、電車の中では携帯をいじることもあれば、フリーペーパーを読むこともある。最近は電車の中で携帯に付属するテレビを見ることも増え、夜遅くの電車に乗ると同じような行為をしている人が周りにもいる。「紙」の重要性は消えていないことは確かだろう。

 さて、パンフレットはどうなのか。エス・ティー・ワールドがフリーペーパー「トラベルプラス Travel+」を出した。また、トラベルカフェと日本航空がカフェや空港内に設置するラックで配布するフリーペーパーを創刊した。この2つとも共通することは、パンフレットを手に取る「旅行に行こう」とする手前の人たちを対象としている点だ。

 これまで、旅行需要を喚起する「仕掛け」はいろいろとあったかも知れないが、こうしたフリーペーパーが今後はそうした役割を担うかも知れない。では、「旅行に行こう」という人が手に取る「パンフレット」の役割は何か。各社がパンフレットの見栄えや内容で工夫をしていることを教えていただくが、消費者に果たして支持されているのか。あるいは、市場のニーズが細分化しているものの、いわゆる「ヒット」と思われる訴え方があるのか。今後も旅行会社や店舗に伺い、こうした「パンフレット」が必要とされるという視点から消費者に何が求められているかをお伝えしていきたい。

▽第4回旅行に関する調査--予約や申し込みもリアルからインターネットへと移行

▽エス・ティー・ワールド、フリーペーパーで販路拡大、女性の旅行意欲を喚起(トラベルビジョン:2007.06.21)

▽トラベルカフェ、日本航空の協力を得てフリーペーパー発刊−待ち時間に読んで!(トラベルビジョン:2007.6.20)

トラベルビジョン 鈴木 次郎