ボストン「文学散策」のモデルコース

  • 2007年5月31日
ビーコン・ヒル周辺コース

ビーコン・ヒル周辺コースビーコン・ヒルは、州議事堂の裏手に広がっている高級住宅地。
赤いレンガ造り家が並び、本物のガス灯が今も柔らかな光を歩道に投げかける、趣きの
ある場所だ。ビーコンヒルの西側には骨董品店を中心にユニークなお店や小粋な
レストランの並ぶ商店街もあり、ここだけで半日設定することも可能なほど内容豊富だ。

1.ビーコンプレス
1854年の創立以来、反骨精神旺盛な出版物の発行
で知られた出版社。マッカーシーの「赤狩り」批判を始め、
フェミニズムや世界平和に関する本を数多く手がけて
いる。1971年にペンタゴン報告書の全文を出版して、
ベトナム戦争の内実を暴露したことでも有名。

2.ニコルズ・ハウス博物館
女性解放と世界平和運動の先駆けとなったローズ・
ニコルズが住んでいた家を博物館として残したもの。
ニコルズは庭園デザイナーとしてもパイオニア的な
存在で、ガーデニングやクラシカルなインテリアに興味が
ある人にもおすすめ。

3.ヘンリー・アダムスの家
アダムス家は独立宣言の草稿著者や大統領などを輩出した名家。
ヘンリー・アダムスも最初は政治家を志したが、その後、歴史家として有名になり、
ボストンの出版業界にも大きな力を発した。

4.サラ・ワイマン・ホワイトマンの家
ホワイトマンは19世紀末、ソローやホーソーン、ストゥなど、当時アメリカを代表する
作家たちの本の装丁をしたアーティスト。ステンドグラスのデザイナーとしても一流で、
ハーバード大学のメモリアルホールのステンドグラスも手がけたという。

5.オルコット一族の家
「若草物語」の作者、ルイザ・メイ・オルコットは、一時
滞在用の家をボストン市内に持っていた。この家は彼女が
20歳のときに住んでいた。

6.ルイスバーグ・スクエア
この周辺は今も静かな文学的香りを漂わせているエリア。
ブロンソン・オルコットをはじめ、ウィリアム・ディーン・
ハウエルズやジョン・グラハム・パルフェイなどの文化人が住んで
いた。

7.アフロ・アメリカン歴史博物館
ボストンのアフリカ系アメリカ人の歴史を物語る博物館。
かつては、アメリカで最も古い黒人のための教会だった。
19世紀にはビーコンヒル周辺に、奴隷制を逃れた黒人の
有力者がたくさん住んでおり黒人解放運動の原動力の一つとなった新聞「ノーザンスター」
を発行したフレデリック・ダグラスも、この教会を中心に活動を進めていた。