キャセイ・チェンCEO、業界としてカーボンオフセットへの対応を呼びかけ

  • 2007年4月7日
 キャセイパシフィック航空(CX)のフィリップ・チェンCEOは、先ごろ香港で開催された「Greener Skies 2007」フォーラムで、「カーボンオフセット」の導入を進めていることを発表した。

 このフォーラムは航空業界のトップや航空専門家を対象に、航空機による排出ガスやそれが気候変動に与える可能性のある影響などについて議論を交わすことを目的としたもの。チェンCEOはカーボンオフセットの具体例として、従業員の業務出張や乗客からの自主的なボランティアを対象にしたシステムを構築し、珠江デルタ地域の環境改善プロジェクトに投資するという案を明らかにした。

 一方、世界のGDPの8%を占める航空産業が、気候変動に影響する炭酸ガスを最も排出している産業と見られていると指摘。ただし「実際は2%。航空業界は代替エネルギーを含む技術開発を継続して取り組むとともに、燃料損失を改善するインフラ整備が必要だ」とし、排出量取引などのシステムは有効と捉える。

 なお、CXでは1998年以来、燃料効率で20%の改善を実現。最新鋭の機材による運航や、燃料搭載量のコントロールによる航空機重量の削減に加え、関係機関の協力を得てネットワークや航空交通管制コントロールの改善などを強化している。