ルフトハンザ、GDSコスト半減を目指す−具体的交渉の期限は設定せず

  • 2007年3月9日
<ベルリン発:鈴木次郎> ルフトハンザドイツ航空(LH)筆頭副社長(マーケティング旅客営業担当)のティエリー・アンティノリ氏はITBベルリン会場で会見し、現在のGDSを経由する流通コストの削減を言及した。アンティノリ副社長によると、LHのGDS費用は2億3000ユーロ(約350億円)だが、「GDSは必要だが、この金額である必要は無い」と、これを半額に近い1億2000ユーロ(約180億円)程度にまで引き下げたい考え。現在、GDSと話し合いを進めているが、「期限を区切って交渉するものではない」とも語り、時間をかけてGDSにLHの考えに理解を深めてもらうという。特に、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)がGDSとの契約が交渉中に切れたものを言外に含みながら、「GDSを利用するLHの顧客に対してリスクあることはしない」と語るものの、現在のGDSに支払うコストは高いという考えだ。

 また、流通コストとしてはコミッションについても課題の一つ。代理店手数料が残る日本については「日本のマーケットリーダーである日本航空(JL)や全日空(NH)の出方にあわせる」と語り、基本はゼロ・コミッションであるものの、日系航空会社の動向次第という考えだ。


▽3月末からミュンヘン/ソウル/釜山線を就航−西日本の需要にも期待
 LHは欧州系の航空会社として初めて、ソウル以外の都市に就航する。これはLHのアジア重視策の一環で、週3便で就航する。韓国経済の伸びが順調で、インド、中国だけでなく堅実な需要があると判断。主として韓国市場に対応していくが、福岡や広島など西日本、また札幌発の乗継需要についても期待を持つ。特に、アシアナ航空(OZ)、全日空(NH)とのコネクションも可能で、こうした点を考慮すると地方都市の需要を取り込むことが可能となってくる。


▽エア・インディアと2社間協定−スターアライアンス加盟を支援へ
 アンティノリ氏によるとLHは先ごろ、2社間協定をエジプト航空(MS)、エチオピア航空(ET)、エア・インディア(AI)の3社と締結したという。アフリカの航空会社との提携は、既にスターアライアンスに加盟している南アフリカ航空(SA)に続くもの。

 スターアライアンスとしては、中国国際航空(CA)、上海航空(FM)の中国系2社の加盟が予定されており、上記3社の動向も注目されるところ。このうち、AIについてはLHが推薦し、スターアライアンス加盟の申請を進め、支援する方針だ。AIはインディアン航空との合併がインド政府によって計画されているが、これについてもインド国内線の充実を理由に歓迎している。