韓国観光公社、日韓・教育旅行は年間8万人市場、今後は中学修旅やインバウンドも

一方で、歴史認識・教科書問題や領土問題など、特に修旅市場に影響を与えそうな日韓間の諸問題もあるが、TKO東京支社長・康重石氏は「これからの時代を担う青少年世代が交流することに意味がある。交流を重ねれば、いつか解決できるのではないか」と、教育旅行の意義を述べた。今後の展望として「(修旅は)増えていくと思う。特にこれからは中学生の修学旅行も増加傾向にある」という。先月の北朝鮮の核実験により、今後の韓国修学旅行への影響を懸念する声もあるが、康氏によると「関西・九州で2校のキャンセルがあったが、関東ではキャンセルはない」と、実際は大きな影響はないようだ。
また、今年から東京都の公立高校でも海外修学旅行が解禁されたが、一人当たりの費用は10万円、成田空港発着で96時間以内という条件があるため、近距離デスティネーションの韓国を選択する学校の増加が見込める。
▽韓国人修学旅行誘致活動も活発に
セミナーでは日本修学旅行協会(全修協)の理事長・河上一雄氏も登壇。日本の修学旅行市場について、「2001年以降はテロやSARSの影響で停滞していたが、今年は20万人の海外修学旅行が見込まれ、史上最高数になる」との見通しを述べた。さらにインバウンドの修学旅行についても、文部科学省と国土交通省、国際観光振興機構(JNTO)と日本修学旅行協会が「訪日教育旅行促進全国協議会」を構成し、誘致を強化しており、今夏は韓国向けの訪日修学旅行マニュアルを作成。「交流は相互が行き来して初めて成立するもの。韓国側の期待も大きい」と、今後の可能性を示唆した。