エミレーツ航空、関西線の搭乗率70%を達成、名古屋は1年内に7割実現を

一方、6月に就航した名古屋線の搭乗率は60%程度で、当初見通しの75%を下回っている。ただし「時間がかかる。関空線も4年かかった」と述べ、名古屋市場でのドバイのピーアールに力を入れる。名古屋地域だけでなく、共同運航する日本航空(JL)を利用して、北海道や仙台、九州から集客を図るほか、最大市場の東京は羽田からの関西発が知られているため、成田からの乗り継ぎをプロモート。ビジネスクラス以上の利用者には、期間限定で東京からの新幹線を無料で提供する。関空発の予約が取れない場合、名古屋へ誘導するプロモーションも開始している。

▽半数以上がビヨンド・ドバイ
搭乗客の内訳は、関西線がビジネス利用が60%、観光・レジャー利用が40%で、地域別では羽田からの利用が55%、大阪が38%。名古屋線は観光・レジャー利用が70%で、地域別では中部地域からの利用が80%、札幌、成田、福岡からの利用が20%となっている。ドバイ以遠はビジネス客の多い関西線は60%、名古屋線は52%の客が利用。両路線ともヨーロッパ(約20%)を中心に伸びている。特に名古屋線は今夏、名古屋発の他社のヨーロッパ線が混んでいたこともあり、利用者が多かったという。また、10月29日にはドバイ/チュニジア線を就航する予定で「日本からのコネクションがよい。既に旅行会社にはパッケージでの利用をお願いしている」とアピールした。
▽関西発の中東路線増加も、「あくまでブランド力で勝負」
関西空港に発着する中東路線は、9月7日にサウジアラビア航空(SV)が就航したことで、ジェッダ、リヤド、カイロ、ドバイ、ドーハの5都市へ週15便と拡充。競争激化が予想されるが、中村氏は「価格競争をするつもりはない。ブランド力を高めて選択してもらう。最新鋭の機材投入や機内設備、サービスもブランド力になる」と、ブランド力での勝負を名言した。昨年、カタール航空(QR)が就航した後も、EKの搭乗客は増えていることから、他社の参入も影響はないと見ている。