国交省、重点施策で経済活性化を意識、観光では人材育成など新たな分野に省内横断で

  • 2006年8月7日
 国土交通省はこのほど、同省の重点施策を取りまとめ、省議決定した。昨年度に取りまとめた重点施策では安心、安全を前面に打ち出したものであったが、今年度は景気回復による経済活性化策が重要視される中、成長力、競争力の基盤となる国際競争力強化、観光立国などを前面に打ち出した。ただし、安心、安全については競争力強化を支える重要なものとの認識は変わらず、整備としては総仕上げを描いている。

 このうち、観光立国関連では、(1)「『美しい日本』の創成に向けた観光地づくり」において、国際競争力のある観光地づくり、人材育成を重点としたほか、外国人観光客の訪日促進ではビジット・ジャパン・キャンペーンの強化、高度化、外国人観光客の受け入れ環境の整備を掲げる。
 観光面ではこれまでの事業を継続。例えば、統計整備、観光ルネサンス事業を活用した地域ぐるみでの観光サービスの起業、景観法に基づく建築物、景観の形成にかかわる活動に対する支援を引き続き実施。関空の二本目の滑走路、仙台空港鉄道の供用開始などは海外から国内観光地へのアクセス向上を想定した事業となる。
 人材育成でも観光地域プロデューサー事業を立ち上げ、旅行業界OB、地域づくり経験者などの人材を活用し、これから観光地づくりを目指す地域へ派遣。また、ホテル、旅館、旅行業など観光事業のサービス向上を目指す「観光事業従事者技能評価プログラム」の整備を促進する。

 国土交通省では、VJCは4年目に入り、内容として一定の成果、方向性が確定しているものの、新たに地域からのニーズとして人材づくりなどが求められていたとして、国交省の対応としても「遅れていた」分野に力点を置き、観光部門だけでなく、国交省各部署との横断的な連携を強めた観光施策を進める。