上半期の日本人出国者数、1.0%増の839.3万人、訪日外客数は8.1%増

  • 2006年8月1日
 国際観光振興機構(JNTO)によると、6月の出国日本人数は前年比4.8%増の142万人となった。これは6月としては過去3番目に多い記録。なお、1月から6月までの上半期は前年比1.0%増の839万3000人となった。JNTOでは増加の要因として、米ドルに対する円高傾向が高まったこと、サッカーワールドカップの開催でヨーロッパ方面の旅行者が伸びたとする。また、昨年の反日デモの反動が6月については現れてきているとしている。ただし、マイナス要因としてインドネシア・ジャワ島での地震発生による影響で、旅行が手控えられた可能性を指摘している。

 デスティネーションとしては、特にアジア圏の伸びが堅調。香港は香港観光年として誘客に積極的な姿勢で、6月までの累計では7.6%増の62.5万人ほど。マカオも数は少ないものの、前年の訪問者数から2桁増が続いており、上半期は21.8%増で10万人に近づく勢い。台湾は昨年並みの力強さは無いが、日本各地と台湾を結ぶ航空座席の供給量が増加しており、順調に訪問者数も伸び、上半期は2.6%増の56万2964人。今後、反日デモの影響の反動で中国、韓国については大きな伸びが期待され、この2ヶ国を含め、近距離アジア圏の訪問者の増加は力強く続きそう。


 インバウンドについては1月から6月までの訪問者数は8.1%増の352万2700人。6月単月では過去最高の訪日外客数で1.2%増の55万8000人を記録した。
 上期の国別の訪問者数は、訪問人数の増加で韓国が最も多く16万9000人増。次いで中国が8万3500人増、香港が3万5500人増、台湾が2万7200人増と続く。アメリカ発のインバウンドは1万2900人の減少、ヨーロッパでもイギリス、ドイツでやや減少、フランスは増加となったが、これはワールドカップの観戦に集中した、という理由もあるよう。特にドイツは6月の訪問者数が15.0%減の7000人で、実数では1200人の減少。上半期では2.2%減の5万5900人で、減少の人数は1300人ほど。こうしたワールドカップ観戦による旅行手控えは日本への訪問に限らず、アジア、オセアニア方面全般で見られたようだ。