ジャルパック、上期苦戦も今年度は目標達成か、今後は他社便利用商品を増加へ

しかし、「減便以外は想定の線上に乗っている」うえ、前年比20%減の販売費や人件費などのコスト面では大幅な縮減に成功。「06年度の最終結果は減便インパクトを入れても、水面上に出てくる」と予想する。ただし今年度は、3ヶ年の中期計画の最終年度であるが、ここ2年間の減便インパクトが20%減以上にのぼることから、3年間の総計では「マイナスにならざるを得ない」と予想する。
今後は「(ジャルパックが)生き残っていくためには、他社便利用の商品が必要」と述べ、JLが加盟する予定のワンワールドを中心に、商品展開を強化する予定だ。昨年はJLのグループ企業としてJL便利用の商品にはJALブランドを押し出す戦略を打ち立てたものの、「JALもジャルパックも同じくらいの知名度がある」と述べた上で、他社便利用には地方発の商品開発、需要の掘り起こしに繋がるとのメリットも強調。JLの座席数減をカバーしつつ、商品の幅の拡充を狙う。
上期の販売見込みと下期の目標人数は最下段を参照のこと。
▽梶社長自ら現場主義を徹底
一方、梶社長は「今年は6年ぶりに製販一体化体制をスタートしたエポックメイキングな年。今後、生き残っていくためには、ホールセーラー兼ツアーオペレーターとして最高の品質・お客様の満足を提供を提供することに尽きる」との考えを述べた。そこで、今年上期から予約部門を東京、大阪の2支店に集約。東京の予約部門はオペレーション部門と一体化し、店頭客に即断・即決ができる体制を整えた。また、FIT化の傾向に対し、「旅ポン」を「JAL個人旅行」に改称して強化したほか、本社内には「オーダーメイドデスク」を設置。3人体制で対応しているが、「パンク寸前」というほど好評だという。
旅にこだわりを求めるニーズの大きさに、梶社長は「ジャルパックは大きく変貌するべき」と実感。「生産者主義であったわけではないが、消費者や消費者と直接話す店頭スタッフの声に立脚した現場主義で、製販一体化を研ぎ澄ましていく」必要性を感じ、1月から全国の販売店のうち1000店舗の歴訪を目指している。現在、921店舗を終了しており、9月初旬に1000店舗達成の見込みだが、既に多くの成果があるという。
例えば、下期のパンフレットでは、中扉で「国内線の特別追加プラン」の案内ページをつけている。従来からパンフレットの後ろに小さく記載していたものの、地方店舗から「成田発や関空発の商品が充実しているが、地方からは発地に出るのが一苦労」という意見を聞き、急いで下期からパンフレット内部にページを割いて掲載することを決定した。また、大規模ショッピングセンター内の店舗はショッピングセンターの営業時間に合わせてオープンしていることから、ジャルパックの予約センターも7月1日から8月13日までのピーク中は、前日午後8時までのオープンに延長することを決定。販売店からは高評価を得ているという。
▽上期の販売見込み人数
<方面/アイル見込み(前年比)/アヴァ見込み(前年比)/合計(前年比)>
ハワイ/1万8100人(11%減)/5万580人(5%減)/6万8680人(7%減)
アメリカ/5800人(17%増)/1万400人(19%増)/1万6200人(18%増)
ヨーロッパ/7000人(14%減)/1万6200人(11%増)/2万3200人(2%増)
アジア/8000人(9%減)/3万7400人(22%増)/4万5400人(15%増)
オセアニア/5300人(1%増)/1万7000人(1%減)/2万2300人(±0%)
グアム/3300人(49%減)/2万7500人(26%減)/3万800人(30%減)
中国/3000人(21%増)/8880人(30%増)/1万1880人(28%増)
合計/5万500人(10%減)/1万7960人(±0%)/21万8460人(3%減)
▽下期の販売目標人数
<方面/アイル目標(前年比)/アヴァ目標(前年比)/合計(前年比)>
ハワイ/1万7200人(6%減)/4万5000人(6%減)/6万2200人(6%減)
アメリカ/4800人(15%減)/7600人(9%減)/1万2400人(11%減)
ヨーロッパ/5200人(12%増)/2万人(4%増)/2万5200人(6%増)
アジア/1万1300人(66%増)/3万9500人(15%増)/5万800人(23%増)
オセアニア/7500人(7%増)/2万人(11%増)/2万7500人(10%増)
グアム/3300人(20%減)/2万4800人(12%減)/2万8100人(13%減)
中国/3500人(7%増)/1万2000人(22%増)/1万5500人(23%増)
合計/5万2800人(7%増)/16万8900人(2%増)/22万1700人(3%増)
※予約センターの営業時間延長の対応は「7月1日から8月13日」となっております。表記に誤りを訂正するとともに、お詫びいたします。(編集部)