JTBワールドバケーションズ、上期は期待以上の成果、年間136万人に上方修正

  • 2006年7月20日
 上期の「ルックJTB」の販売人員数が前年比8%増の67万1000人と、好調に推移している。JTBワールドバケーションズ(JTBW)代表取締役社長の伊藤正人氏は、ルックJTB下期商品発表の席で上期の総括と下期の見込みを説明。上期商品から特に力を入れた「独自性」「多様性」「創造性」の3つの柱と、他社に負けない「価値価格」が、成果につながったと評価する。例えば、前年比5%増となったヨーロッパ方面は特に、創造性と独自性を反映させて設定した「ヨーロッパ100選」が好調のほか、「地球交響曲(シンフォニー)」は120%増と大幅に飛躍。また、上期から実施した先行販売施策「早特60」も貢献し、出発90日前から60日前の予約が30%以上の伸びを見せているという。

 方面別ではアメリカが4%減、ハワイが1%減の見込みとなっているものの、その他は全て前年を上回った。反日の反動で125%増となった中国方面は反日騒動以前の一昨年を凌ぐ数字を示しつつあり、「完全復活か」と見ている。また、スマトラ沖地震の津波や昨年のバリでのテロ事件などの影響を受けていたアジア方面も7%増で「ほぼ、以前のペースに戻った」と、中国とアジアの回復を示唆。今年上期からの減便の多かったミクロネシア方面でも、キャリアとの定期的なマーケティングを実施し、価格や間際の出し方を工夫することで7%増を実現した。

 ただし、下期に関してはラスベガスなどいくつかの減便があり、「シビアに見なくてはいけない」として、前年比2%増の69万3000人と予想。通年では、年度当初の目標である135万人を若干上回る4%増の136万人を目標に掲げ、「“3つの柱”と価値価格の展開をいっそう図り、クリアしていきたい」と抱負を述べた。上期販売見込みと下期、年間の目標数は最下段の通り。


▽「既に100万人のダイナミックパッケージを展開」

 JTBWの昨年度のウェブ販売実績は63億円。今年度は「前年比50%増までに伸ばしたい」(伊藤社長)、と意欲的だ。ダイナミックパッケージについては「旅行会社がインターネット上でBtoCを展開するとき、ダイナミックパッケージは当たり前の姿。JTB全体としても課題と捉えるのは当然」としながらも、導入時期については「出来るだけ早く」と明言を避けた。ただし、「BtoBだが、既にルックJTBのマイセレクトで100万人のダイナミックパッケージを展開している」ことも強調した。



▽上期販売見込み <方面/人数/前年比>   
ハワイ/13万1000人/1%減
ミクロネシア/13万1000人/7%増
アメリカ/4万4000人/4%減
ヨーロッパ/8万4000人/5%増
アジア/19万6000人/7%増
オセアニア/4万人/±0
中国/4万5000人/125%増
合計/67万1000人/8%増


▽下期販売目標 <方面/人数/前年比> 
ハワイ/13万7000人/37%増
ミクロネシア/13万1000人/2%増
アメリカ/5万1000人/6%減
ヨーロッパ/7万人/±0
アジア/19万人/1%減
オセアニア/7万1000人/±0
中国/4万3000人/43%増
合計/69万3000人/2%増


▽年間販売目標 <方面/人数/前年比> 
ハワイ/26万8000人/±0
ミクロネシア/26万2000人/5%増
アメリカ/9万5000人/5%減
ヨーロッパ/15万4000人/3%増
アジア/38万6000人/3%増
オセアニア/11万1000人/±0
中国/8万8000人/76%増
合計/136万4000人/4%増