クラツー新社長の岡本氏、次世代システム開発へ、強み活かしつつ FIT獲得にも手を打つ

  • 2006年7月10日
 クラブツーリズム代表取締役社長に6月26日付けで就任した岡本邦夫氏がこのほど、弊紙インタビューに答え、今後の株式上場を目指した取り組みについて語った。岡本氏は、「クラブツーリズム・ミッションを継続し、地道に根付かせていく」と語り、高橋秀夫前会長の意思を受け継ぎ、舵取りする考えを表明。上場時期については、「できるだけ早い段階で上場したい」と述べるに留め、時期の明言は避けたが、「業績というよりはまずは経理の仕組みの課題が大きいと思う。これをしっかり構築しながら上場していきたい」と述べ、内部を修正して会社そのものを強くすることで上場を目指すとした。
 今年度の売上高の推移について目標とする 1450億円について、「厳しいと思うが、現在の業績、方向性であれば到達可能と考えている」とコメント。なお、営業利益は5億8000万円、経常利益は4億円弱を想定している。

 岡本氏は上場の目的について、投資する資金の調達を目的としてあげる。「ITの仕組みは近畿日本ツーリストの事業部で活動していた当時から、ベースを築いてきたが、この 4、5年はシステムへの投資をしておらず、老朽化が問題となっていた」と語り、今後2年間で約16億円程度を投資する新システム「次世代FACT統合予約システム」の開発に着手。さらに、資金を調達し、作業効率の向上を目指すシステムへ投資する道筋を示した。
 また、「クラブツーリズムの知名度向上を図り、お客様をはじめ、『クラブツーリズム』を明確に認識していただきたい」と語り、上場に伴う CI(コーポレート・ブランド)の社会的な認知向上も上場の目的とした。

 こうした体制作りの中で、システム構築について、最終形として「ダイナミック・パッケージ」の展開も構想している。岡本氏は「顧客を維持することと同時に、新規顧客を増やしていく必要がある 。(取扱人員)全体の1割を(新規顧客として)目指していかなければならない」との考えを語り、強みとする団体旅行に加え、今後は個人旅行者の獲得にも積極的な取り組みを図る方針。

 ただ、クラツーが提唱する「仲間作り」と、個人旅行との接点を探ることは難しい。岡本氏は、団体と個人とそれぞれの旅行形態への取組みについて、「団塊世代への取り組みをする上で、個人のお客様に対応できる仕組みも必要。クラツーらしさという面で個人旅行の申込者も現地のイベントに参加できる仕組みをつくり、当社が見出せるサポート体制を探り、研究していく」との考え。こうした体制、仕組みを整えた「現在ある商品を e ビジネスで販売促進していく」ことで、ダイナミック・パッケージの導入に至るとの考えだ。

 なお、岡本氏へのインタビュー詳細は下記のリンクを参照のこと。


◆クラツー岡本新社長インタビュー、「クラツーらしい個人旅行のあり方を模索」
http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=24991

※社長就任日の表記に誤りがありました。正しくは「6月26日付け」です。ここに訂正し、お詫び致します。7月11日午前10時00分(編集部)