JL西松氏、社内風土改善・安全性向上への検討案、「現場重視」へ

  • 2006年5月15日
 日本航空代表取締役専務、資金担当で次期社長を務める西松遙氏はこのほど、東京の日本外国特派員協会で今年3月に示した中期経営計画(2006年〜2010年)、2005年度3月期決算などを説明した。主に、安全運航に関する集中的投資、国際旅客事業の低収益路線の縮小、中型機、小型機への機材のダウンサイジング、安全水準とサービスの向上を進め、2009年の羽田空港拡張、成田発着枠の拡大に向け取り組む中期計画に沿った内容。こうした取り組みにあわせ、社内風土の改善を積極的に進めていく考えを改めて示した。国際線のネットワークに関しては、旅客、貨物の両面で中国の重要性を強調しており、旅客部門ではビジネス、観光需要とも、今後の「拡大に期待」を示すにとどまった。


 安全水準に向けて重要課題の一つとされる社内風土の改善に関して西松氏は、「正式に決定していないものの、第一線で起きている事象を経営陣側にフィードバックする仕組みを構築したいと思っている」という。その具体的な方法とは「専任スタッフの配置、ホットラインの設置し、現場の裁量権を拡大する権限委譲も検討中」と語り、現場重視の考えだけでなく、体制構築を進める方向を示している。さらに、西松氏自身は特に現場スタッフとの意見交換を増やすことで、理解を深める意向であることも強調している。
 また、JALグループは4月、社外有識者からなる諮問機関「安全アドバイザリーグループ」の提言に基づき、羽田空港近郊に安全啓発センターを開設、御巣鷹山の事故機展示を開始した。西松氏は展示に関して「社内、ご遺族からは賛否両論の意見があった。展示には当事者として度胸があった。2度足を運んだが正直ショックを受けた。もっと早くに実施すべきだった」と感想を述べた。


▽外国人記者は「エアバス」に関心高く

 外国人記者などからは、エアバスA380型機の導入予定の有無、エアバス社の導入率の低さに関する質問が集中。西松氏は、A380型機の導入に関して「現時点で導入の予定はない。ただし、ライバル会社が導入を予定する場合、JALとしても考える可能性はある」とコメント。また、エアバス機材の導入率の低さは、アメリカに機材パーツセンターがあるため、連続性を考えると欧州への転換はコスト高となること、およびJALグループは現在所有する10機種から機種削減の取り組みを実施することから、新機種導入の困難さを説明した。(TM)