楽天トラベルは14日、ダイナミック・パッケージのシステムを稼動、サービスの提供を開始した。楽天トラベルでは現在のところ、提供可能な都市数は公表していないが、航空会社39社、ホテル1万4764軒の提供を行う。ダイナミック・パッケージの特徴として航空券、ホテルそれぞれを単純に予約した場合よりも割安な料金で手配することが出来るほか、いわゆる「企画旅行」として販売することから、サポート体制についても24時間の海外での緊急時の電話対応も行う。想定するユーザーとしては20代後半から30代の海外旅行に慣れた層としており、楽天スーパーポイント1％を付与するなどして他社との差別化を打ち出す。
　なお、このシステムの予約人数は最大で大人、子供、幼児を含み6名まで。決済手段はクレジットカード。なお、今後のサービスについては、現在はリンクに留めているハーツ、ダラーのレンタカーサービスもダイナミック・パッケージの組み合わせとして含めていくことを検討するとしている。


▽ダイナミックPKGが消費者に定着するか

　ダイナミック・パッケージの仕組みは欧米で先行、昨年10月にグローバルトラベルオンライン（GTO）が導入したことで日本での展開が始まり、昨日からは楽天トラベルもこうした仕組みを活用。ただし、システム設計の基本的な考えは楽天／GTOでは異なるようだ。GTOは日時等の条件を入力後に航空券、ホテルの組み合わせ一覧を表示し、ホテルの選択が可能。楽天トラベルの場合は、条件入力まではほぼ同一だが、表示は最安値を最上段に昇順となる。仕入面でも楽天／GTOの両者に違いがある。楽天トラベルは航空券がグループ会社のワールドトラベルシステム（WTS）、ホテルは一部直接契約を除き、ホールセール各社からの仕入れ、一方でGTOはホテルなどで直接契約。
　今後はオンラインでの「海外旅行」の販売に消費者が価格面、サイトでの使い勝手など、価格から表示、オプションツアーなどランド部分に至るまで、体系的・総合的な完成度などを日本市場でどのように支持されるかが焦点となる。こうした動きが業界側の契約体系にも影響が及びそうだ。