島根県、石見銀山が世界遺産登録へ前進、ユネスコが推薦書を受理

  • 2006年2月11日
 島根県の石見銀山が世界遺産に登録される可能性が強まった。政府が提出した登録推薦書を、ユネスコが1月に受理。今年秋の現地調査の後、登録の可否が決定される。2007年7月頃に発表される予定だ。
 石見銀山を世界遺産に推薦する主な理由は(1)世界的に重要な経済・交流を生み出したこと、(2)伝統的な技術による豊富な銀の生産方式を残すこと、(3)「坑道」や「銀山街道」「積出港」など、銀の生産から搬入にいたる全体像を明確に示すことの3点。特に(1)は、17世紀前半、世界の銀の産出量の約3分の1を占めた日本産のかなりの部分が石見銀山産だったといわれ、当時は約20万人もの人々が従事し、生活したといわれている。
 申請したエリアは、(1)銀鉱山跡と鉱山町、山城、(2)積出港へ続く石見銀山街道、(3)銀の積出港と港町で、(1)の鉱山遺跡の本体とその周辺の320ヘクタール内には、龍源寺間歩、大久保間歩など600以上の間歩(坑道)や採掘跡、1000ヶ所以上の平坦地(作業と生活が営まれたなごり)が残っている。