楽天トラベル、近々にダイナミック・パッケージを導入へ、「優位性ある」

  • 2006年2月8日
 楽天トラベル代表取締役社長の山田善久氏はこのほど、同社が導入を計画していた海外旅行向けのダイナミック・パッケージの投入時期が遅れているとした上で、「近々に導入する」と見通しを示した。ダイナミック・パッケージについては既に他社が日本市場で展開。ただし、「品揃え、価格など他社と比較して全ての面で100%勝るわけではない」ものの、「商品力、ユーザー・インターフェースで優位性がある」との見方。

 仕入れ面では日本人が好むデスティネーションを絞り、国内宿泊で利用の多いビジネス需要と異なり、「男性・女性、ビジネス・レジャーとバランス良い」ことを活かし、価格面で訴求するほか、楽天ポイントなどを活用する「楽天」ブランドのシナジー効果で取り込みを図る方向のよう。ダイナミック・パッケージの展開には現在取扱う約39社の航空会社、1万軒近くのホテルで開始される見込みだ。このことから、山田氏は「出遅れてはいない」との考えだ。昨年1月末から海外航空券予約を開始、現在は「月間数億円程度」(山田社長)と国内宿泊予約に比べて規模は小さいとの認識だが、「国内(宿泊)の100億円、150万泊レベルに至るよう取り組む」と言う。楽天トラベルの本格的な展開により、海外旅行予約がどの程度インターネットへ移行するか、という市場全体の動向も注目される。


 また、楽天トラベルはダイナミック・パッケージの展開を想定し、企画旅行の取扱いが可能な第1種旅行業へ昨年8月に登録を変更。旅行業法上の解釈から種別変更を行ったものの、「想像以上に『旅行業』としてアピールするきっかけとなった」と語り、「単なるシステムから脱皮し、旅行業でビジネスを展開する上での幅の広さにつながっている」とのメリットを語る。

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 同社は7日、東京において、国内の宿泊施設の担当者を集めた「新春カンファレンス2006」を開催。この席上で新サービスとして事前カード決済、法人予約、さらに2月16日には旅行のコミュニティサイト「旅コミ」の導入についても公表。事前カード決済、法人予約については予約段階で顧客のカード情報等が入力されていることから、宿泊施設はNO-SHOW時でもキャンセル料の収受が可能となるメリットがある。こうした展開に加え、高速バス予約事業も展開していることから、旅行について幅広いサービスの展開を目指す方向を強調する。

 このうち、法人予約について山田氏は「既存の旅行会社とは市場は重ならず、真似をしようということでもない」と、大手旅行会社が展開する法人営業とは異なる考えを示す。既に数人の担当が500人から1000人規模の企業に対して、宿泊施設の提供、およびビジネストラベルとして経費管理、社員の旅程等を一元管理するメリットを謳う働きかけをしているという。