スターアライアンス加盟社、来年6月に成田・南ウイングに移転

  • 2005年11月14日
 スターアライアンス加盟社は成田空港第1旅客ターミナルビル南ウイングの供用開始に伴い移転する。このほど、スターアライアンスCEOのヤーン・アルブレヒト氏、全日空代表取締役社長の山元氏が日本外国人特派員協会で会見し、利便性の向上をアピールした。スターアライアンスは現在、世界各国の空港において「一つの屋根の下」のコンセプトから、統一した旅客サービスの提供を推進しているところ。既にこのコンセプトでマイアミ、チューリッヒ、シャルルドゴールのほか、日本では中部国際空港で実現。今後は、成田のほか、バンコクでの展開も予定されている。


 既に成田空港の南ウイングでは工事が進んでおり、来年6月には供用を開始する予定。成田に乗入れるスターアライアンス加盟の航空会社では、第1ターミナル北ウイングのシンガポール航空(SQ)、ユナイテッド航空(UA)、ヴァリグブラジル航空(RG)、第2ターミナルのエアカナダ(AC)、全日空(NH)、オーストリア航空(OS)、アシアナ航空(OZ)、ルフトハンザドイツ航空(LH)、スカンジナビア航空(SK)、タイ国際航空(TG)が新たな南ウイングに集結する予定だ。これにより、スター加盟会社間でのチェックインをシームレスに手続きが進むほか、セルフチェックイン機は現在の14台から128台へと大きく増設される。
 また、加盟会社間の乗り継ぎも大幅な短縮となる。現在は国際線間での乗り継ぎが110分であるが、移転後は45分となり、国際線から国内線は75分、国内線から国際線は60分へと大きく短縮される。ただし、国際線から国内線の乗り継ぎ予想の75分は入国審査の手続きが改善されることを前提として、スターアライアンスでは60分にまで短縮されると見ている。現在のところ、サンフランシスコから東京を経由して上海へ乗り継ぐ場合、同日着が出来ないが、今回のターミナル移転によるMCTの短縮で可能となるほか、NHが運航する国内線との乗り継ぎ利便の向上で、日本発のアウトバウンド、およびインバウンドの両面での改善も期待されるところだ。
アルブレヒト氏もアライアンスは「航空会社だけでなく、空港会社、旅客、ひいては政府にもメリットがある。長期的には旅客需要の拡大や荷物の効率的な運搬にも繋がる」として、「一つの屋根の下」のコンセプトが成功裡に進んでいることを強調する。
 観光面では政府が進める「YOKOSO JAPAN」をさらに推進するには、入国審査官の人員増を政府にも要望していくと明言。これについては、成田空港会社社長の黒野氏とも対談し、同様の意見であることで一致したことも明らかにし、MCTを短くすることとあわせ、世界で競争力のある空港となる方向性を明示した。