楽天・三木谷氏、見方を変える事が重要、トラベルは情報提供が利益向上に

  • 2005年2月24日
 日本旅行業協会(JATA)が開催したJATA経営フォーラムにおいて、楽天代表取締役会長兼社長、楽天トラベル代表取締役会長の三木谷浩史氏は自身の成功体験について、「見方を変えることが重要であった」と振り返った。三木谷氏によると、ショッピングモールとして展開するにあたり、「カタログ販売のホームページ化ではなく、フランチャイズ化を念頭にした」として楽天市場内で最高売上を記録する企業は月間6億円とも話し、地方の中小企業をいかに活力を与えるかが成功の鍵であったと披露。ビジネスで重視する点についても(1)常に改善・常に前進、(2)プロフェッショナリズムの徹底、(3)仮設・実行・検証・仕組み化のプロセスと効率化、(4)顧客満足の最大化、(5)スピード、の5点を挙げる。特に、他社が1年で実行することをいかに1ヶ月で実現するためにどのような作業を効率的に進めるか、そしてやり遂げることが重要とし、また、ネット上では顧客の満足度をいかに高めるかを考え、「コンペティターとされるヤフーと比較するのではない」とした。
 こうした考えはトラベルでも同様で、「消費者に楽しく、便利の世界をどのように構築するか」と語る。また、今後の楽天トラベルについては、エンターテイメント性を極大化して楽しさを売ることの重要性を指摘。旅行前の期待感を醸成するため、「単に予約を行い、料金が安いサイトではなく、訪れる土地の歴史、文化、名産など背景を伝えることが利益率の向上に繋がる」との考えも披露した。また、旅行後についても消費者の意見が直接、コメントなどの形で反映されてくる。こうした情報は旅行に限らず、会社側が一度、吸収して対応していた形が一般的だが、消費者同士が結びつきを強めるインターネット社会では今後、いっそう重要なファクターとなりそうだ。