JAL、東南アジアの団体客が想定より遅れ、ANA黒字計上、第1四半期

  • 2004年7月30日
 JALグループ、ANAグループは30日、第1四半期(4月〜6月)の業績を明らかにした。このうち、営業利益においてJALグループは前年の769億円の赤字から大きく改善するも302億円の赤字、ANAグループは前年の286億円の赤字から88億円と黒字化を果たした。
 JALグループは国際線旅客数においては333万7752人と前年から75.5%増と大きく増加したことによる収入の増加も、原油費の高騰により相殺され、例年、赤字を計上する第1四半期の季節性を残す業績となった。また、国際線旅客はJALグループで想定どおりに推移するものの、東南アジア方面での団体旅客の推移が遅れていることもマイナス要因として見ている。なお、国際線旅客収入では前年比59.9%増の1500億7200万円、国内線旅客は2.9%増の1500億1000万円。
 また、ANAグループは2005年度までに300億円のコスト削減を目指す計画が順調に推移しているとして、これまで第1四半期で赤字計上から黒字へと転化。国際線の旅客は欧州線、北米線、中国線のビジネス旅客を中心に回復しており、旅客単価も上昇。需要の回復から販売手数料の増加など営業費用の増加もあったが、88億円の営業利益を確保した。なお、原油費の高騰によるコスト増もあるものの、7月から9月の高需要期は好調に推移するものと見ている。なお、業績、旅客数等は下記を参照のこと。

▽JALグループ
売上高/4793億1000万円(20.2%増)
営業損益/302億6200万円・赤字(前年:769億6800万円・赤字)
経常利益/357億9500万円・赤字(前年:767億6400万円・赤字)
四半期純損益/407億6100万円・赤字(前年:772億7500万円・赤字)
国際線有償旅客人数/333万7752人(75.5%増)
有効座席キロ/242億9019万0000ASK(23.7%増)
有償座席利用率/66.0%(12.8ポイント増)

▽ANAグループ
売上高/2972億300万円(14.5%増)
営業損益/88億6800万円(前年:286億5100万円・赤字)
経常利益/58億7200万円(前年:273億6800万円・赤字)
四半期純損益/24億2500万円(前年:183億2400万円・赤字)
国際線旅客人数/94万9546人(67.6%増)
座席キロ/62億3360万1000ASK(5.0%増)
利用率/74.4%(19.7ポイント増)