ANA、16年度3月期連結は経常334億円の黒字、国内線収益持ち直し

  • 2004年5月7日
  ANAグループはこのほど、平成16年度3月期(平成15年4月1日〜平成16年3月31日)の連結決算を取りまとめた。これによると売上高は0.1%増の1兆2175億9600万円、営業利益は343億5400万円(前年同期:25億9700万円の赤字)、経常利益は334億4300万円(同:172億3600万円の赤字)、当期純利益は247万5600万円(同:282億5600万円の赤字)であった。7期ぶりの配当を予定しており、1株あたり3円となる。
 航空運送事業全体では1200名の人員削減をはじめ、平成15年度から17年度まで300億円の費用削減を計画しており、この進捗も順調。国内線の単価下落も収まったことから、国内線の旅客収入は増収へと向いた。国際線においては期初のイラク戦争やSARSで影響を受けたものの、アジア路線での減便で供給を調整すると共に運航費の削減を実施。また、SARSの終息宣言以降は段階的に運休、減便措置を解除したほか、成田/ホノルル線のダブルデイリー化をはじめ、こう需要路線に機材を投入した。また、ANAでは見込みより需要回復が早かったとしており、成田/上海線をはじめとする中国路線を大きく増強したことが奏功したと分析する。
 また、旅行事業では内際の3社をANAセールス&ツアーズが吸収し、海外旅行で苦境にたたされたものの、国内旅行での好調な販売、統合に伴う効率化、費用の圧縮等で売上高は前年比3.5%増の1686億1000万円、営業利益は253.9%増の20億6700万円であった。
 今期の予想では、売上高は1兆2660億円、営業利益は560億円、経常利益は290億円、当期純利益は140億円を予想。国際線では引き続き中国路線での拡充を展開し、旅客数で16%増、収入で247億円の増収を目指す。また、国内線ではJRなどとの競争の激化を予想、旅客数は前年比3%減と予想するが、運賃の改定やシステムの導入効果で前年並みの収益を見込む。

▽国際線
旅客収入/1769億5600万円(4.6%減)
旅客数/330万4057人(12.8%減)
旅客キロ/169億5017万4000人キロ(9.5%減)
座席キロ/246億2629万8000席キロ(5.2%減)
有償座席利用率/68.8%(3.2ポイント減)

▽国内線
旅客収入/6448億6100万円(0.3%減)
旅客数/4478万4274人(0.5%減)
旅客キロ/388億5725万2000人キロ(3.8%減)
座席キロ/631億4696万席キロ(0.9%増)
有償座席利用率/61.5%(3.0ポイント減)