入社式で各社トップが訓示、変革の時期の心構えが鮮明に

  • 2004年4月1日
 新年度を迎えた昨日、旅行業界の各社は入社式を行った。各社のトップは式の挨拶で、環境の大きな変革に触れ、特に消費者から選択される企業、商品づくりに取り組む新入社員に期待を込めたメッセージを贈った。
 ジェイティービーでは233名の新入社員に対し、社長の佐々木隆氏が「絶えず挑戦心を持ちつづけてほしい」として、「やりたい仕事が出来る環境が必ずある。新たな発想で新しい事にチャレンジを」と呼びかけ。このために、多様化する「モザイク型マーケット」で信頼される専門家となるように努力を促した。
 4月30日にクラブツーリズムの営業譲渡を目前に新生近畿日本ツーリストを目指す社長の太田孝氏は34名の新入社員を前に「私は1月から社長に就任し、会社トップも3月30日に新ポストに就任した。新入社員の皆さんと同じく、将来に向けてゼロからスタートする気持ちで会社を経営する」と新しさを強調。さらに「(会社は)利益を通して社会に貢献するもの。利益の源泉は『お客さま』にあり、お客様への気配り、気遣いというホスピタリティーから、信頼関係が生まれ、新たなビジネスが生まれる」とし、旅行会社が代理業ではなく、企画提案型の展開に移行した姿を示した。
 また、日本旅行では57名の新入社員に社長の金井耿氏が「明るい未来に包まれたばら色の業界ではない」と語る。これを踏まえ、勝ち残る方法の「4つのC」として「Change(変化)」「Challenge(挑戦)」「Creative(創造)」「Confident(確信)」を挙げ、「若いバイタリティを活かして(この4Cを)実践することが大切」と語った。
 全日空(NH)の社長、大橋洋治氏はダーウィンの進化論から「生き残るのは最も強い種、賢い種ではなく、変化できる種」の一説を引用し、「航空業界が直面する競争は『変化に強い遺伝子』をいかに獲得するか」と述べる。さらに、「与えられた枠組みや過去からの慣習を当然の前提とするのではなく新鮮な目でいい方向、あるべき方向性を追求する進化を志向してほしい」と訓示した。