JATA、トルコ視察を会員向に速報、JTBは再開、近ツーは緩和へ

  • 2004年3月2日
 日本旅行業協会(JATA)は先ごろトルコ・イスタンブールに安全状況を確認する目的で視察団を派遣し、27日付でJATA速報を会員各社に発信した。この中で爆発のあった箇所、ホテル、観光地、空港などのセキュリティー体制に関する調査内容を報告すると共に結論として「一定条件を充たせれば催行可能」と踏み込んだ結論を示している。これは参加した団員との意見交換において、「印象として安全の状況について前向きな意見が多かった」ことから。条件は添乗員付き、ホテル、観光スポットの安全度が高い個所を組み入れたコースなどとしている。
 JATAでは視察団団長を務めたJATA副会長の舩山氏、JATA事務局次長の米谷氏が25日に外務省領事移住部邦人保護課に報告、「外務省側はトルコの日本大使、および総領事から報告を受けているとし、(今回の視察に)一定の評価を頂いている」(米谷氏)という。外務省の安全情報はトルコに対して「渡航の是非を検討」を11月20日に発出して以降、継続中だ。通常は3ヶ月を目途に見直しを行うことから、JATAでは「『十分注意して下さい』に引き下げし、発出する情報において、注意事項を書き込むことで対応」するよう要請したという。

▽JTBと近ツーの対応
 JATA速報などを受け、ジェイティービーは28日から添乗員付きの主催旅行を再開、近畿日本ツーリストは利用ホテルの地域制限を解除し、市内観光は3ヶ所から5ヶ所へと拡大する措置を講じている。
 JTBは2月28日発からの添乗員付きツアーを再開。これは、JATAの視察団の結果に加え、九州支店の担当者が視察団の1週間前に視察した2つの報告を受けた対応。「渡航の是非」が継続する中で主催旅行を催行する対応となるのは2002年にバリでの事件以来のこと。現在の状況は問い合わせがあるものの、実質的に動き出すのは「3月下旬ごろ」(広報室)と見ている。
 また、近畿日本ツーリストはホテルに車寄せ前にブロックを置き、車両を玄関に近づけない、ホテル入り口でX線検査と手荷物検査を実施しているなどの基準を設け、これに適合するホテルを利用することを前提に地域制限を解除した。また、観光地もこれまで、ブルーモスク、トプカプ宮殿、アヤ・ソフィア博物館に限定していたが、地下宮殿、グランドバザールを加えた5ヶ所へと拡大する。近ツー広報部によれば、11月以降の取扱状況は合計6本の催行、人数は60名程度となっている。