JTB、15年3月期連結決算は増収増益もSARSなどで厳しい見通し

  • 2003年5月20日
 ジェイティービーの平成15年3月期連結決算(平成14年4月1日〜平成15年3月30日)は、売上高1兆2074億400万円(前年比5.8%増)、営業利益95億3400万円(450.1%増)、経常利益102億5000万円(119.9%増)、当期純利益17億7200万円(586.8%増)の増収増益となった。ただし、テロ以前の平成13年3月期比では営業利益が44.3%減、当期純利益は88.1%減である。昨年8月ごろまでテロの後遺症を残し、11月から12月にかけてイラク情勢、2月後半から3月にかけて新型肺炎(SARS)による旅行の手控えで主力の旅行事業が大きく影響を受けたが、出版・印刷事業等での営業利益を確保した。平成16年3月期は売上高1兆2600億円、経常利益65億円を見込む。ただし、この予測はイラク戦争の影響のみを加味したものとなっており、SARSに関しては加味していない。
 なお、SARSに関連した上期の海外旅行のみの売上は700億円の減収、営業収益では前年比15%から20%減の112億円の減収を見込む。アジア方面で前年比70%減の約20億円を予想、現在の状況はヨーロッパおよびアメリカ本土は50%減、オセアニアも30%減を推移する。既に増収策として300億円の増売を発表している。具体的には今上期商品のうち、好調に販売が推移する方面を選択、集中的に販売活動を展開する。また、秋には第2弾の増収策として、秋休みの普及を図り、六本木、汐留、お台場など話題の豊富な東京に飛行機、鉄道を利用する旅行商品を展開する予定。