日旅、経営の新ビジョン策定、2007年に東証上場目指す

  • 2006年6月13日
 日本旅行は今後の事業展開の指針となる新ビジョンを策定した。新ビジョンの名前は「日本旅行イノベーション」。5年後の2007年に東証への株式上場と、新たに打ちたてた企業ビジョン「感動と満足を創出する トラベル・バリュー・クリエイター」実現の2つの柱で構成している。上場の理由として金井耿社長は「社会的、経済的な信用力の向上と、市場を意識した経営の徹底、日本旅行としての確固たる地位とアイデンティティの確立」と語った。
 そのための経営戦略として、事業構造の転換と拡大、グループ会社の強化、経営体質の転換・強化の4つの機軸を打ちだした。特に事業構造の転換ではEC販売とBTMといった成長分野の拡大を目指し、現在100億円である両事業合計の取扱高を2007年には1000億円に伸ばす方針のほか、店舗展開は総合店舗の割合を縮小し、団体営業店舗でイベント・コンベンションなど専門領域の営業を強化、熟年専門などコンサル型店舗の拡大といった専門特化店舗の設置や従来店舗の統廃合を行なう。また、パッケージ商品を整理し、「高品質」、「豊富な種類」、「価格訴求」の3カテゴリーに区分してブランドイメージ確立を目指す。当分は従来のブランド内で3カテゴリーに区分していくが、創業100周年になる2005年には、カンパニー・アイデンティティ(CI)の一環として、社名とともにブランド名の刷新も検討している。
 今後は、2005年までにテロで弱まった経営基盤の回復・強化とCIに向けた取り組みを、2005年から2007年までに上場に向けた利益の拡大と事業領域の拡大を図る。上場を予定する2007年の取扱高を今年見通しの5030億円の20%増となる6000億円、経常利益で30億円を目指しており、今後5年間でシステム関連で約60億円、店舗関連で約20億円の投資を行なう予定。そのため、筆頭株主のJR西日本などと増資を検討中で今年末までに「数十億」(金井社長)の増資を目標としている。