ANA・アメックス、提携カードを17年ぶり全面刷新 日常接点を拡大、ANAのライフサービス「黒字見えてきた」
マイルを軸に日常接点を拡大
ANA側では、マイルを軸にした日常領域での顧客接点も拡大している。会見では、ANAカードに加え、ANAでんき、ANA Mobile、ANA Mall、ANA Pay、ANA Traveler'sなどを、日常生活の中でマイルを「貯める」「使える」サービスとして紹介。ANAマイレージクラブの会員数は現在4700万人に達しているという。
ANAが描く「日常 → マイル → 旅」の循環
日常生活で接点
- ANAカード
- ANAでんき
- ANA Mobile
マイルを貯める・使う
- ANA Mall
- ANA Pay
- ANA Traveler's
旅行に使う
- 特典航空券
- ANA SKY コイン
ANAの旅行体験
- 国内線・国際線
- 空港ラウンジ
- プレミアムな旅の体験
※共同記者発表会での説明をもとに編集部作成。
非航空領域、「そろそろ黒字が見えてきた」
質疑では、コロナ禍以降にANAが進めてきた非航空領域の収益状況にも質問が及んだ。ANA上席執行役員でANA X代表取締役社長を兼務する神田真也氏は、具体的な伸び率は明らかにしなかったものの、ANA Xを軸に旅行事業とライフサービスを一体で拡大してきたと説明。ANA Pocket、ANA Mall、ANA Payなどを例に挙げ、こうした非航空領域の事業について「そろそろ黒字が見えてきている状況」と述べた。
ANAは、貯めたマイルの最大の価値を特典航空券での利用と位置づける。会見では国内線に加え、ハワイや欧州路線のエコノミー、ビジネス、ファーストクラスに必要なマイル数を示し、日常決済で獲得したマイルを実際の旅行体験へ結び付ける構図を強調した。神田氏は、円安や燃油サーチャージの高騰で海外旅行の負担が増すなかでも、日常生活で貯めたマイルを活用することで旅行機会につなげたい考えを示した。
カード刷新は、ANAにとって単なる決済商品の改定にとどまらない。日常の決済や通信、ECなどでマイルを貯め、旅行や特典航空券で使う循環を強めることで、搭乗時以外にも顧客との接点を持つ戦略が一段と明確になった。非航空領域の収益化が視野に入り始めるなか、神田氏は、日本航空も同分野に注力しているとして、「共にライバルとして盛り上げていきたい」と語った。航空利用だけでなく、日常生活での決済やサービスを通じて顧客との接点を広げる動きが強まるなか、マイルを核としたANA、JAL両社の“経済圏”をめぐる競争の行方も注目される。


