アドベンチャー、黒字転換も旅工房の減益・減損響く 営業利益は計画下回る
アドベンチャーと連結子会社の旅工房が8月13日、2026年6月期の通期決算を発表した。アドベンチャーは連結で黒字転換したものの、グローバル展開に向けた先行投資や旅工房の減益・減損などが響き、営業利益は従来予想を下回った。
一方、海外旅行を主力とする旅工房は売上高を2割超伸ばしたが、中東情勢悪化や燃油価格の高騰などを受けて営業赤字が拡大した。両社からは、2027年6月期に向け、アドベンチャーグループが成長投資と収益性改善を進める一方、旅工房ではアウトバウンド市場の環境変化への対応と経営基盤の再構築が引き続き課題となる構図が浮かぶ。
アドベンチャーは黒字転換も利益は計画下回る
アドベンチャーの2026年6月期連結業績は、収益が前期比1.0%増の256億3400万円、営業利益が11億円となり、前期の11億5500万円の営業損失から黒字転換した。親会社の所有者に帰属する当期利益も4億6500万円となった。
| 従来予想 | 実績 | 予想比 | |
|---|---|---|---|
| 収益 | 260億円 | 256億3400万円 | 1.4%減 |
| 営業利益 | 18億円 | 11億円 | 38.9%減 |
| 営業利益率 | 6.9% | 4.3% | 2.6ポイント低下 |
ただ、営業利益は従来予想の18億円を7億円下回った。同社は決算説明資料で、アドベンチャー単体でのグローバル展開に向けた先行投資に加え、「旅工房の減益及び減損損失」を要因に挙げている。アドベンチャーではグローバル展開に伴い、システム関連費用や広告宣伝費などが増加した。
旅工房については、期末時点の市場価格が簿価を大きく下回っていたことなどを踏まえ、アドベンチャーが連結決算でのれんの減損損失1億9100万円を計上した。海外子会社に関する減損と合わせた減損損失は計3億8200万円となった。
旅工房、売上28%増も営業赤字拡大
旅工房の2026年6月期連結業績は、売上高が前期比28.0%増の47億6600万円となった一方、営業損失は1億6800万円と、前期の1億1100万円から赤字幅が拡大した。経常損失は1億6300万円。過年度に受給した雇用調整助成金等の返還額と引当額との差額を債務取崩益として計上したことなどから、最終損益は1億5400万円の黒字となった。
| 2025年6月期 | 2026年6月期 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 37億2200万円 | 47億6600万円 | 28.0%増 |
| 営業損益 | 1億1100万円の赤字 | 1億6800万円の赤字 | 赤字5700万円拡大 |
| 経常損益 | 1億800万円の赤字 | 1億6300万円の赤字 | 赤字5500万円拡大 |
同社によると、海外旅行需要そのものは回復基調にあり、個人顧客の受注件数は前期比22.9%増となった。しかし2026年3月以降、中東情勢の悪化により中東経由の欧州方面商品の催行中止が発生。燃油価格の高騰を背景とした旅行控えも受注に影響した。これに対し、オセアニア、北米、アジア方面の商品を強化し、欧州偏重を補う需要の取り込みを進めた。法人旅行では、国内外の業務出張などが堅調に推移したとしている。
コスト面では、問い合わせ獲得のため広告宣伝費を投下するとともに、成約につなげるための人員にも投資した。2026年6月期の販管費は11億8000万円と前期から増加した。旅工房は一方で、コンシェルジュによる顧客対応やウェブ掲載商品の企画・造成など、アナログ業務が残る領域へのAI活用も進めている。

