読者アンケート2026
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欧米豪・中東の比率が18%に拡大、JNTOが最新インバウンド動向を説明

  • 2026年1月30日
JNTO出口まきゆ理事

 日本政府観光局(JNTO)は1月29日、メディアブリーフィングを開催し、2025年の訪日インバウンドの最新動向と各市場向けプロモーションの成果を説明した。年間訪日外客数は4268万人と過去最高を更新し、市場構成の変化や地方部での宿泊増加など、訪日市場の広がりが数値として示された。

 冒頭、JNTO理事の出口まきゆ氏は、2025年の年間訪日外客数が4268万3600人となり、2024年の3687万人を580万人以上上回って過去最高を更新したと報告した。月別では2024年2月以降、23か月連続で同月過去最高を記録しており、訪日需要が継続的に拡大している状況が示された。

 訪日外国人旅行消費額については、2025年が前年比16.4%増の9兆4559億円となり、これまでで最も高い水準を記録した。1人当たり旅行支出も22万8809円となり、前年から0.9%増加。出口氏は、人数の増加とともに消費額も拡大している点を強調した。

 市場別の動向では、東アジアが引き続き大きな割合を占める一方で、欧米豪・中東市場の比率が拡大していることが示された。2019年には全体の14%だった欧米豪・中東市場のシェアは、2025年には18%に上昇した。米国、カナダ、欧州各国などで2019年比+80%以上の伸びが確認されており、市場構成が少しずつ変化している。

 地方部の動向については、延べ外国人宿泊者数が増加傾向にあり、特に2024年8月以降は2019年の水準を上回って推移していることが示された。国籍別では、台湾、韓国が2019年同期を上回ったほか、米国やカナダ、欧州各国でも地方部での宿泊が大きく増加している。

 個別市場における取り組みとして、海外プロモーション部東アジアグループの田原菜央氏は、日韓国交正常化60周年を契機とした訪日プロモーションを紹介した。日本の小都市60か所を選定した特設サイトの開設や、インフルエンサー招請、記念イベントを実施した結果、訪日韓国人の地方部宿泊率は前年同期比6.7%増加し、地方部宿泊人数は約52万人増加したことが報告された。

 欧米豪市場については、海外プロモーション部の熊野伸彦氏が、大相撲ロンドン公演を契機としたプロモーション事例を説明した。34年ぶりにロンドンで開催された大相撲公演に合わせ、旅行会社やメディアを対象としたトークショーやネットワーキングイベントを実施し、日本文化としての相撲の魅力や開催地周辺の観光情報を発信した。その結果、相撲観戦を組み込んだ訪日ツアーの造成や、現地メディアでの特集掲載につながった事例が紹介された。

 最後に、市場横断プロモーション部の高橋歩氏は、訪日教育旅行の取り組みについて説明した。STEM教育やSDGsをテーマとした体験型コンテンツを多言語で紹介する特設ページを運営するとともに、海外と日本の学校間交流のマッチング支援を行っている。教育旅行に関する調査や交流事例を通じ、日本での学びを目的とした訪日需要の把握と受入促進を進めているとした。