2026年 観光市場は次の成長を描けるか、海外旅行は本格回復フェーズへ-年頭所感(2)(協会・団体)

 世界的な旅行需要の拡大が続くなか、2025年の日本の観光市場は訪日旅行が高水準を維持し、海外旅行も段階的な回復を進めた一年となった。一方で、観光客の集中によるオーバーツーリズムなどの地域課題や慢性的な人手不足、コスト上昇といった構造的な問題は解消には至っていない。

 2026年は昨年開催された大阪・関西万博のレガシーをいかに持続的な観光需要につなげるかが問われる年であり、同時に海外旅行市場の本格回復と商品・販売戦略の再構築が重要なテーマとなる。量から質への転換や持続可能な成長に向けた対応が求められるなか、政府は新たな観光立国推進基本計画の策定を予定しており、注目が集まっているところだ。こうした環境下で、業界団体や大手旅行会社、航空会社などのトップは2026年をどのように見通すのか。本企画では全3回にわたり、各分野トップの年頭所感を掲載する。第2弾は国交省・観光庁と各業界団体のトップについて取り上げる。




日本旅行業協会(JATA)会長 髙橋広行氏

いま、旅行業界に突きつけられている問いは明快です。「安く行けるから旅をする時代」から、「行く理由があるから旅をする時代」へ。私たちは、価格競争ではなく“価値”で選ばれる産業へと、舵を切らなければなりません。本年は第5次観光立国推進基本計画が4月から施行される節目の年です。JATAは海外・訪日・国内旅行の三位一体でのバランスの取れた成長こそが持続可能な観光であると捉え、官民の連携を一段と強化し、次の……続きを読む







全国旅行業協会会長 近藤幸二氏

観光業界が「持続可能な成長」へと舵を切る一年と位置づけた昨年は、大阪・関西万博の開催という歴史的なイベントに彩られ、国内外から多くの交流が生まれました。インバウンドは、コロナ禍前の水準を上回る活況を呈し、その訪問先も地方へと着実に広がり、国内旅行においても、人々の生活の中に「旅」が確固たる地位を取り戻し、堅調な需要が持続いたしました。この一年、人手不足やコスト高、そして近隣諸国を含む不安定な国際情……続きを読む







国土交通大臣 金子恭之氏

能登半島地震の発生から2年、そして、復興中の奥能登を襲った豪雨から約1年3月が経ちました。先月も、青森県において最大震度6強を記録する大規模地震が発生したところです。被災された方々におかれましては、心よりお見舞い申し上げるとともに、震災や豪雨によって亡くなられた方々の御冥福を改めてお祈りいたします。国土交通大臣就任後、直ちに能登半島の被災地へ視察に行ってまいりました。能登半島地震、東日本大震災をは……続きを読む







観光庁長官 村田茂樹氏

人口減少が進む我が国にとって、観光産業は今や我が国第2位の輸出産業に急成長しており、地域の活性化・日本経済の発展に不可欠な産業となっております。昨年は、堅調な訪日需要と航空便の回復等に加え、持続可能な観光立国の実現に向けて官民一体となって取り組んだ結果、訪日外国人旅行者数や消費額は好調な状況です。具体的には、2025年の訪日外国人旅行者数は、11月末の時点で既に暦年で過去最多となることが確定してお……続きを読む







日本観光振興協会会長 菰田正信氏

昨年は、「大阪・関西万博」が開催され、国内外から多くのお客様をお迎えし、盛況のうちに終幕しました。次なる博覧会としては、「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」が神奈川県横浜市で開催されます。博覧会の成功に向け、観光産業一丸となって全国的な機運の醸成に努めてまいります。さて、足元の観光産業に目を向けますと、輸出額では第二の基幹産業として重要な経済基盤へと成長を遂げている一方で……続きを読む







日本政府観光局(JNTO)理事長 蒲生篤実氏

昨年、訪日外国人旅行者数は、ごく一部の国や地域で減少が見られたものの、11月までに累計3906万人に達し、過去最高を更新するなど、インバウンド観光は非常に好調に推移しました。また、コロナ禍以後は、特に欧米豪からの旅行者が増加して訪日旅行市場の多様化も進んでいるほか、地方においても、長年の取り組みが奏功し、インバウンドの受入れが急速に伸びているところもみられます。これは、観光関係者の皆さまの熱心な取 ……続きを読む







日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)会長 大畑貴彦氏

OTOAは、観光目的の海外渡航の自由化が認められてから10年後の1974年に現組織の前身となる海外ツアーオペレーター協会が任意団体として設立されました。そして本年8月20日に社団法人化35周年を迎えます。これまでの旅行業法の改正に伴い、OTOA独自の「海外地上手配基本契約書」の導入やOTOA保険を導入するなど、様々な事業を展開して参りました。そして昨年から、『安全対策委員会』、『調査・研究委員会』……続きを読む







新観光創造連合会(TIFS)会長 岡田直樹氏

観光産業は今、大きな転換期にあります。市場環境や顧客ニーズが急速に変化する中、従来型の枠組みだけでは対応しきれない場面も増えてきました。特に中小旅行会社にとっては、単独での競争ではなく、旅行会社同士の協業や提携、そして実務に直結する情報連携が、これからの時代を乗り越えるための重要な鍵となります。TIFS(新観光創造連合会)は、既存の観光団体が担ってきた役割を尊重しつつも、それとは異なる立ち位置から……続きを読む







駐日外国政府観光局協議会(ANTOR-JAPAN)会長 ラウル・ゲーラ氏

2026年、丙午の年を迎えるにあたり、日本の観光業界の皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。「午」はダイナミズムと前進の象徴であり、これからの一年を迎えるにあたってこれ以上ふさわしい精神はありません。2025年は、まさに画期的な年となりました。大阪・関西万博の成功とインバウンド観光の驚異的な躍進は、単に数字を押し上げただけでなく、旅行エコシステム全体に対する深い信頼を回復させました。ANTOR-JAPAN……続きを読む

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