KNT-CT、上期は増収増益 探究学習や地域共創も加速
KNT-CTホールディングスの2026年3月期第2四半期(中間期)は、海外・訪日含む旅行需要の回復を背景に増収増益となった。通期予想は据え置いたが、探究学習領域やリジェネラティブ・ツーリズムなど新規領域の取り組みも進展している。
上期の連結売上高は1465億4700万円で前年同期比9.0%増、営業利益は29億7800万円で同33.1%増、経常利益は35億2500万円で同36.3%増、親会社株主に帰属する中間純利益は31億2200万円で同23.8%増となった。
財政面では総資産1609億5400万円、純資産551億7300万円、自己資本比率34.2%。キャッシュ・フローは営業活動による資金流入が159億3100万円に拡大し、旅行前受金や仕入債務、預り金の増加が押し上げた。期末の現金及び現金同等物は1030億8700万円で前期末比150億1300万円増となり、運転資金の厚みが増している。
事業面では、国内個人向けはテーマ性の高い添乗員同行ツアーを拡充し、夏季は避暑・夜間観光を組み合わせた「涼旅」や、京都鉄道博物館へ貨物線で直接乗り入れる特別ツアーなど話題性の高い商品を投入した。海外は欧州方面が好調で、9月にはダイヤモンド・プリンセスのチャーター企画も実施した。訪日では多言語サイトで花火大会を巡る添乗員同行ツアーが人気となり、イベント関連では大阪・関西万博の宿泊・日帰りツアーを販売、世界陸上東京2025では関係者の宿泊・輸送や観戦ツアー等を広く取り扱った。
新領域としては、学研ホールディングスと探究学習の事業化に向けた基本合意を締結し、テーマ旅行と教育メソッドを融合したプログラムを展開。11月9日には高輪ゲートウェイシティで小学生向け探究学習ツアーを実施し、将来的にオンラインとリアルを併用した「探究学習専門スクール」の設立も見据える。
地域共創では、長野県生坂村を舞台としたリジェネラティブ・ツーリズムを第2期へ拡大し、地域と旅人が協働するコミュニティづくりに挑戦している。
通期見通しは据え置きとし、今後の動向次第で適宜見直す方針だ。



