星野リゾートが考える山のホテルとは?「LUCY尾瀬鳩待」宿泊レポート
「いつもの生活」が楽しめる設備
LUCY尾瀬鳩待の客室数は全25室。定員4名の「フォースルーム(3室)」、2名の「ツインルーム(10室)」、1名の「ドミトリー(12室)」の3種類だ。敷地面積が限られているため広さはフォースルームでも13平米とコンパクトな作りだが、フォースルームとツインルームは冷蔵庫がついている。フォースルームとツインルームのベッドのマットレスは日本ベッドのものを使用しており、実際に1泊してみたがすっきりと眠れた。
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ラウンジや客室、ベッドサイドには随所に電源コンセントやUSBポートがあり、無料Wi-Fiも利用できる。山の宿泊施設は電力供給に制限があるため、充電に制限があるケースがある。どこでも充電ができ、Wi-Fiが使えるのは非常にありがたいポイントだ。
山での宿泊での懸念材料となるトイレとシャワーは共用だが、トイレは温水洗浄トイレを完備。日常生活では当たり前の存在だが、山の滞在施設にはなかなかない。
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1階にはラストコンビニにあたる「Food & Drink Station」が併設されたラウンジが広がる。24時間いつでもセルフレジで購入できるので、深夜・早朝の買い足しにぴったりだ。LUCY尾瀬鳩待では朝食はこのコンビニで調達する仕様となっており、パンやドーナツ、いなり寿司、スープにカップ麺までさまざまな食事がそろう。
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ラウンジではLUCY尾瀬鳩待オリジナルの体験としてパラコード編みによる「熊鈴作り」が楽しめる。尾瀬は熊が出没するスポットであるが、人間とうまく共存する仕組みができている。その一つが音で人間がいることを知らせる「熊鈴」だ。
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山でのハイキング初心者はなかなか持っていないが、ここで作り、翌日の尾瀬ハイクで活用できるようになっている。現在体験プログラムは熊鈴1種類だが、将来的には星空観察や、ガイド付きの尾瀬散策プログラムなど、安全面を担保しつつ増やすことを検討しているという。
このほか、1階には荷物を預けられるロッカールームや山道具用の乾燥室、無料のウォーターサーバーなどを設け、宿泊者の利便性に配慮した。
LUCY尾瀬鳩待の真向かいにあるのが、8月に先行オープンした「はとまちベース Cafe & Shop」だ。宿泊者はここで夕食をとる。
はとまちベース Cafe & shopは10時から16時までは宿泊者以外もカフェや土産物などのショップとして利用できる。このため幅広い客層に対応できるよう、オリジナル商品や定番の土産物に加え、ウェアやトレッキングポールなど本格的な登山グッズも販売する。
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山での快適な滞在にこだわった「LUCY尾瀬鳩待」。福井氏は「新たなニーズに向かった新しいカテゴリ、ジャンルとしてホテルを作っていきたい」と意気込みを示す。今年はわずか1か月半と短い稼働日数だが、来年に向けて宿泊者の意見を参考に、新たな取り組みも始める予定といい、今後の動きも見逃せない。