JTB、箱根でエリア開発事業展開 河口湖を結ぶモデルツアー開始へ
JTBとJTBグローバルマーケティング&トラベル(JTBGMT)は、訪日旅行者を対象に、人気の観光地である箱根と河口湖を直通で結ぶ新たな滞在型観光モデルを10月より開始する。地域と連携した広域回遊の実現を目指し、持続可能な観光地づくりのモデル構築を進める。
具体的には、箱根と河口湖を結ぶ訪日旅行者向けのバスツアーを2025年10月2日より開始する予定で、JTBGMTが展開する訪日外国人向けパッケージ「サンライズツアー」にて販売される。宿泊地から出発できる点や、目的地まで乗り換えなしで移動できる点が特徴となっている。
現状、箱根と河口湖間を公共交通で移動するには複数の乗り継ぎが必要で、訪日客にとってはルートの把握が難しいほか、移動時間も長く、地域間の観光消費が限定的となっている。こうした課題に対し、今回のツアーでは両エリアを直通で結び、車窓からの景観やガイド解説を通じて移動自体を観光体験として設計することで、移動の負担を軽減しつつ、滞在時間の最大化を図る。
ツアーは箱根発着の往復と箱根もしくは河口湖を発地とした片道の3タイプを用意。箱根滞在中に富士山観光を楽しむ往復型、観光を兼ねて河口湖へ移動する片道型など、旅行者の滞在計画に応じた柔軟な利用が可能。料金は往復1万7000円、片道9000円で、英語ガイドが同行し、最少催行人数は2名と設定されている。
JTBは本事業を通じて、東京を経由しない効率的な回遊ルートを提案するとともに、河口湖に集中する観光需要の分散と、地域全体の観光価値の向上を目指す。今後は、熱海や伊豆など静岡東部へと広域回遊ルートの拡張も視野に入れ、宿泊を軸とした新たな滞在スタイルの確立と全国展開を検討している。